パブリシティについて考える

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 こんにちは。事例Ⅰ&再現答案担当のぜあです。本日のブログのテーマは「パブリシティ」。1次試験の企業経営理論について学習された方は、プロモーション戦略の4つ(①広告、②パブリシティ、③人的販売、④販売促進)の1つとして認識している方も多いのではないかと思います。とはいえ、自社について、新聞社や放送局にニュースとして取り上げてもらう、というのはなかなかハードルが高いと感じている方も多いのではないでしょうか。ということで、本日は、記者経験のある私がパブリシティについて考えてみたいと思います。

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「パブリシティ」は信頼性の高さがポイント

 1次試験でもテーマとなる「パブリシティ」。「企業がマスメディア(新聞社、出版社、放送局など)に対して、新製品情報などのニュース素材を提供する活動」というのがその定義かと思います。

 特徴として取り上げられるのは、①広告費用を要しない、②報道機関の目線で記事・ニュースが発出されるため、客観性・信頼性が高い、③ニュースとして取り上げるかどうかは報道機関の判断であり、企業側からのコントロールはできない。の3つが挙げられます。でも、マスメディアに取り上げられる、というのは、広告宣伝費を抑えつつ、多くの人に信頼できる情報を伝えられるという点で、メリットも大きいですよね。

記者が取材する中小企業の見つけ方

 新聞やテレビにおいて、技術力のある中小企業について取り上げた記事、困難な環境(SWOTのTの部分)に立ち向かう中小企業などなど、中小企業を取り上げたものも少なくありません。
 では、取材者=記者・ディレクターはこうした中小企業をどのように見つけてくるのでしょうか。私の経験上、こうした企業を見つける手段は実はそんなに多くありません。おそらく、以下の3つに大別されるのではないでしょうか。

1.人からの紹介(商工会議所や金融機関、過去の取材先のつながりからの紹介)。
2.過去記事の検索(自社の過去記事、日経テレコン等での他社記事検索)
3.中小企業の自社発信(WEBやSNS、記者クラブへの資料投函など)

 中でも、記者として「ありがたい」と思うのは、電話したその日のうちに取材をさせてくれるところです。例えば、あるスーパーに関するこちらの記事をご覧ください https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/lifestyle/entry/2020/022092.html

 スーパーゆえ、例えば「原材料費高騰で食品値上げ」「天候不順で野菜が不作」など、様々なテーマに合わせた取材ができます。ニュースは毎日出すものなので、朝の会議で、「きょうは食品値上げについてニュースで取り上げよう」となったら、このスーパーに午前中に電話、午後イチに取材し、店内の様子を撮影、お客さんと社長にインタビューすれば、ニュースとして十分な取れ高を確保することができます。一度取材してもらう関係が続けば、記者の側も声がかけやすくなり、関係が構築できる、というメリットもあります

プレスリリースとメディアフック

 中小企業の自社発信、については、インターネットで「プレスリリース」「書き方」と検索すると、たくさんのサイトが出てきますし、YouTubeチャンネルでも多く出てくると思います。「タイトルはキャッチーに」「リード文は簡潔に」「本文は1段落3行程度」などなど、様々な情報があふれています。言いたいことをわかりやすく伝えるということはプレスリリースを書く上での初歩であり、ぜひいろんなノウハウを吸収していただければと思います。

 また、プレスリリース配信サイトとして、「PR Times」や「@Press」など、様々なメディアがあり、有料のものも多いですが、メディアへのアクセスが以前よりも楽になったといえるのではないでしょうか。

 プレスリリースの際に、様々なところで出てくる言葉が「メディアフック」です。メディアの側がリリースを受け取ったときに、引っ掛かりを覚える場所、という意味合いで使われているようです。つまり、記事化するときに、最もニュースバリューがありそうなところ、ということができると思います。(逆に、フックがなければ、そのまま読まれずに終わってしまいそうです。)

 それでは、メディアフックはどのように表現するべきでしょうか。自社しっかりとした商品・サービスがある、または、斬新な人事制度やITシステムの導入などがあるという前提で考えたいと思います。
 まず、考えられるのは、「全国で初めて」「都内で初めて」「地域で初めて」など、「初物」であることをアピールすることです。よく、日本人は、「初ガツオ」や「初釜」など、「初」がつくものが好きと言われますが、メディアにおいても同じ。「県内で初めてロボット型接客システムを導入」(古いか…)、「県産の木材だけを使った初めての玩具」みたいな表現ができるとよいかと思います。(客観的に「初めて」と断言するのは難しいかもしれませんので、「当社調べ」などの文言が必要になるかもしれませんね)。

SWOTの「O」を利用し、「T」を克服する

 例えば、こちらの文章をご覧ください。

 A社では、5千万円をかけて機械設備を設置しました。これにより、生産性が従来に比べ30%向上することが期待されるほか、昨今の人手不足の状況下においても、生産量の維持・拡大を見込むことができます。

 プレスリリースにこういう一文があったとします。こうしたときに、例えば、「人手不足」という脅威(=T)を乗り越えている会社がある、ということで、記者の目に留まったりします。設備投資という社内の話だけでなく、「人手不足」を絡ませることで、一気に社会性をもつ、ということです。

 逆に、機会(=O)を利用する、ということであれば、インバウンドを取り込むための施策(このテーマは若干飽和気味ではありますが…)、近隣の大規模再開発をチャンスととらえて投資する、などなど、様々なテーマが考えられるかと思います。プレスリリースが社会性を帯びるようにすることも、ポイントの一つです。

 軽い気持ちでパブリシティについて書き始めましたが、思わぬ長文になってしまいました…。でも、自社の商品やサービスを広く伝える方法は広告だけではなく、パブリシティも有効であるということもおわかりいただけると嬉しいです。

 あすのブログは「みみ」の登場です!お楽しみに。

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2次筆記試験受験生にご提出いただいた再現答案に支えられております。
皆さまの全身全霊を込めた答案が、本書籍を作り上げています。

また、令和4年度より受験生全員に得点が開示され、皆さまにご提出いただけたことで、
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より精緻な答案分析を行うことができました。

この場をお借りして皆さまのご協力に改めて御礼申し上げます。

令和5年度の2次筆記試験におかれましても、
再現答案および開示された得点のご提供をお願いしたいと存じます。

今年2次試験を受けられた皆さまには是非とも、
作成された再現答案および開示された得点をふぞろいにご提供いただきたく存じます。
皆さまの答案を心よりお待ちしております。

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来年度の受験生の方々のため、あなたの力が必要です。
是非ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

締切:2024年1月31日(水)23時59分

締切:2024年2月7日(水)23時59分

 

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