こんにちは!梅雨時期の週末、素敵なおうち時間をお過ごしですか。
事例Ⅳ分析チームのだいきです。
最近、診断士見習いとして少しだけですが、お仕事をいただくことがありました。
「持続化補助金の申請書作成のお手伝い」です。
今日はその時に感じたことを書きたいと思います。
目次
まず持続化補助金とは何かを簡単に説明します。
・小規模事業者が行う販路開拓や生産性向上の取組に要する経費の一部を支援する制度
・2021年6月現在受付しているのは次の2つ
<一般型> 補助率2/3 補助上限額50万円(単独申請)
<低感染リスク型ビジネス枠> 補助率3/4 補助上限額100万円
※低感染リスク型は、ポストコロナを踏まえた新たなビジネスやサービスに特化したものです
中小企業を支える補助金施策の代表的なひとつです。
経営者に「補助金を活用して挑戦したいこと」をヒアリングして、
それを申請書に落とし込むお手伝いでした。
依頼を受ける前までは、そもそも何で経営者ご自身で書かないのだろう、
と思っていました。(すみません)
でも実際に経営者の方にお会いしてお話してみると、
事業を切り盛りすることに手一杯で、
そもそも申請書を作る時間なんてないんだなということに気付きます。
小規模事業者って従業員が少ないんですよね。
商業・サービス業(宿泊・娯楽業を除く)で5人以下、それ以外でも20人以下
特に私が依頼を受けたのは個人事業主の方だったのでなおさらです。
さらにもう一つ、「経営計画書」なるものに対して苦手意識があるようでした。
そう、補助金申請には「経営計画書」が必要なんですね。
ご自身の事業に特化した専門知識は持っていても、
経営全般の知識、ましてや申請書の書き方なんて、勉強している余裕ないですよね。
診断士の存在意義を肌身に感じる出来事でした。
今回の依頼は一般型でした。
ということで、さっそく持続化補助金<一般型>のHPを覗いてみました。
すると記入例が載っていました。記入例をみて次のことを感じました。
<経営計画>
1.企業概要
⇒ 「これは2次試験の与件文の最初辺りに載ってるやつだ」
2.顧客ニーズと市場の動向
⇒ 「SWOT分析の外部環境分析っぽいな」
「顧客や競合の状況もということは3C分析の視点も必要だな」
3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み
⇒ 「SWOT分析の内部環境分析じゃん」
4.経営方針・目標と今後のプラン
⇒ 「経営ビジョンと経営目標、経営戦略ってことか。企業経営理論でやったな」
「経営目標には定量的な根拠が必要だから財務・会計の知識を使えるな」
「おー、これはなんだか2次試験の設問を解いているみたいだ」
<補助事業計画>
1.補助事業で行う事業名
2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容
3.業務効率化(生産性向上)の取組内容
4.補助事業の効果
⇒ 「例をみると、誰に、何を、どうやって、効果の視点を漏れなく書いてるな」
「2次試験で『だなどこ』って覚えて散々やったなー」
試験勉強をしていた当時、2次試験って何の役に立つんだろうと疑問に感じていました。
(またしてもすみません)
1次試験ほどの深い知識は問われず、正解も公表されていないので
勉強自体も雲をつかむような感じでした。
でも補助金の申請書を書いていて感じたことは、
「あ、これ、2次試験でやってきたことの総まとめみたいだな」ということ。
経営者の想いを汲みながら、1次試験の知識をフル活用し、
できるだけポイント押さえて端的に伝わる文章を書く。
そのためにはSWOT分析や3C分析などのフレームワークも使うし、
「誰に、何を、どうやって、効果(だなどこ)」や
「漏れなくダブりなく(MECE)」という視点も意識する。
より相手の心に響くように、「ブランド価値向上」のような
キラーフレーズを盛り込むことも忘れずに。
現状分析や定量的な効果を示すには、財務・会計の知識を活かします。
これってまさに2次試験でやってきたことでした。
そしてなにより、計画書を書く上で足りない情報を整理し、
経営者に何を聞くべきか心得ている
これは2次試験で何度も何度も設問解釈と与件文の読み取りを
繰り返してきたからこそ身に付いたものだなと感じました。
1次試験がインプットの試験なら、2次試験はアウトプットの試験。
ようやく2次試験の価値を実感してきました。
国内の企業に占める中小企業の割合は99.7%(2016年6月時点)
日本の未来は中小企業の活躍にかかっています。
それゆえ中小企業を支える施策は沢山あります。
でもそれを活かしたくても足踏みしている企業も沢山あることでしょう。
診断士の本分である「診る、書く、話す」
この力を存分に発揮して中小企業のお役に立てる機会は沢山ありそうです。
2次試験、絶対役に立ちます。(もちろん1次試験も)
ふぞろいチームもみなさんを全力で応援します。
がんばっていきましょう!
最後の最後に自分への戒めとして。
補助金申請のお手伝いをするうえで、
実現可能性のまったくない「絵にかいた餅」を書いたり、
こちらが勝手に想像を膨らまして経営者の「考える力」を削ぐような
申請書にしてしまうことはあってはならないと考えています。
あくまで経営者に寄り添って、一緒に考えて、経営者の想いを紡ぐこと、
気付きを与えられる存在であることが大事だと思っています。
私もがんばります。
明日はさちの登場です。ほっとする記事、お楽しみに!!