皆さんこんにちは! 若手合格ナビゲーターのだいちです。
ラストリレーということで、今回が最後の投稿になります。
ふぞろいのプロジェクトに携わってから、このブログでは心理学や脳科学の分野でTipsを語り続けるという謎の一貫性を保ってきましたが、最終回は少し違った視点で皆さんに新たなTipsをご提供して、私のブログを締め括りたいと思います。
先日、緊急事態宣言が発令されましたが、発令前後において「コロナには〇〇の成分が効く」であるとか、「〇〇がスーパーからなくなる」というように、どういった根拠で語られているのかがわからない主張や言説を目にする機会が増えてきているように感じています。
こういったときに、私たちは入ってきた情報をそのまま鵜呑みに信じるのではなく、「本当にそうなのかな?」と一呼吸おいて確かめようとする姿勢がとても重要になるのではないかと思います。
私のおすすめの書籍は『まどわされない思考 非論理的な社会を批判的思考で生き抜くために』で、上記のように批判的に考える方法として「分析的思考」が紹介されています。
実はこの「分析的思考」は、診断士試験においても役立つ一面があります。
このブログは受験生支援を目的としていますので、試験勉強の視点に絞って「分析的思考」の一部をご紹介したいと思います。
書籍の内容が気になるという方は、ぜひご自身でお読みいただくことをおすすめします(Kindle Unlimitedに登録している方であれば無料で読めると思います)。
目次
それでは、次の論証が正しいかどうかを見てみましょう
ぱっと見、正しいように見えますね。確かにそれぞれの前提は正しいですが、これではソクラテスが人間だったことの論証は成立しません。
ためしに上記の「人間」を「犬」に置き換えてみましょう。
このように、前提Yが前提Xをあたかも包含しているように誤って論証してしまうことを「後件肯定の誤謬」と呼びます。
もっとわかりやすい例でご説明しましょう。
パリ以外にもヨーロッパには様々な都市が存在しますので、この論証は誤りであることがわかると思います。
もっと身近な例をあげてみましょう。ここからは私のオリジナルです。
そんなわけないですよね(笑)。巷の書店には、よく「なぜ成功者は〇〇しているのか」のようなタイトルの自己啓発本が置かれていますが、これも後件肯定の例といえるでしょう。内容は面白いかもしれませんが、論証としては無効ということになります。
この「後件肯定の誤謬」を診断士試験の勉強にあてはめて考えてみましょう。
これもぱっと見、論証として成立してそうですよね。
ですが、上記の大富豪の例と比較してみてください。これが論証として成立しないことはなんとなくわかりますね。
診断士試験の現場では、前提Yが与件文に記載されている一方で、前提Xは与件文には記載がなく、知識や経験から導き出してしまうことがありうるのではないかと思います。
よく、診断士試験勉強のセオリーとして「与件文に従う」というのがありますが、これは論証の前提を与件文から抽出しないとロジックが破綻する危険が高まるからではないかと思います。
論証の組み立てが正しくできているかについては、一度ご自身のつくった解答が後件肯定になっていないか検証することでリスクを軽減できるのではないかと思います。
よろしければご参考にしていただけますと幸いです。
私が診断士試験に合格して、ふぞろいのプロジェクトに参加してからは、それぞれ多様なバックグラウンドをもちつつも、お互いの能力をリスペクトし合う素晴らしい仲間に恵まれ、数多くのやりがいある仕事をすることができました。
私は春セミナーのリーダーを担当していたのですが、ちょうどその頃も緊急事態宣言が発令される前後のことで、「セミナーをそもそもやるかやらないか」という議論からスタートしたのを今でも鮮明に思い出します。
仲間と何度も議論を重ね、各事例の解説動画の配信とZoomでの質問相談会の二段構成という非常にユニークな形で、ふぞろい初となる完全リモートでのセミナーを開催することができ、参加者の方からも高評価をいただくことができました。
このプロジェクトを成功させられたのも、ふぞろい13という最高のチームメンバーと一緒に仕事ができたからだと今でも感謝しています。
ふぞろい13がこれで終わってしまうのは寂しいですが、またどこかで一緒に仕事ができたら嬉しいなと思います。
1年間、この些末なブログにお付き合いいただきありがとうございました。
これにて最後のご挨拶に代えさせていただきます。
明日は、複業家のたかしのラストリレーです。
どんなありがたいお話が聞けるのでしょうか? 期待が膨らみます。みなさんお楽しみに!