皆さんこんにちは。ふぞろい13のとっくんです。
11月も終わろうとする今日この頃ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
私は先日勤め先での四半期決算発表を終え、ふと疑問に思ったことがあります。
「世間の人たちは、自社をどう評価しているのだろう?」
決算などのニュースリリース時にはよく株価が動きますが、株主の方も様々かと思います。
会社に対する見方は千差万別なので、今回は定量的な企業の評価手法について考察してみました。
非常にざっくりとしていて異論もあるかと思いますが、一意見としてご容赦いただますと幸いです。
目次
一般に会社の価値を計る手法は、以下の3つがあるといわれます。
①ネットアセット・アプローチ
⇒ B/Sの純資産をもとに計算
②マーケット・アプローチ
⇒ 株式市場などで実際に売買された他社の株価などと比べて算定
③インカム・アプローチ
⇒ 今後会社が生み出す利益などを基に算定
どれか1つが正しいというものではなく、各々が会社の価値の異なる部分に着目し、評価します。
次に、それぞれの特徴についてみていきたいと思います。
ネットアセット(Net Asset)とは、総資産から負債を除いた純資産を指します。
B/S上の純資産を単に使う「簿価純資産法」や、資産・負債を時価評価して実態を反映させた純資産を算定する「時価純資産法」などがあります。
この手法での評価は一定の客観性があるといえますが、ベンチャーなどの新興企業にはあまり向きません。
将来性が大いに期待できる企業でも、創業期は純資産に乏しい例が多く見られるからです。
世界のAmazonでも、今から20年前は株主資本▲1000億円超の債務超過でした。
よって、対象とする企業がある程度成熟期を迎えた場合に、この手法による評価は信憑性が増してくるのではないかと思います。
2つ目は、マーケットで取引された価格を基に会社の価値を決める手法です。
取引所でついた株価が価値を表しますが、一般的には過去1カ月や3カ月など、一定期間の平均株価が使われるようです。
不特定多数の株主による評価のため、会社の価値を示す一定の基準と見なすことができます。
一方、上場していない会社の評価は大変です。
実際には上場会社の中から類似する会社を選び、その上場会社の株価倍率などを適用して株価を算出します。
私も以前、非上場会社のM&A案件で対象企業の類似会社を調べたことがありますが、事業内容はもちろん、会社規模や株主構成、販売チャネルなど、考慮すべき要素が多くて選定にすごく苦労しました。
人によって選ぶ類似会社は異なるでしょうし、それによって対象企業の算定価値がぶれてしまいます。
よって、この手法は主に上場企業の評価に適している評価方法だと思います。
3つ目のこの手法は、会社がこれから稼ぐはずの利益やキャッシュフロー(CF)をもとに評価します。
診断士試験でもよく登場する、DCFが有名ですね!
DCFは世界中で多くの専門家が活用し、評価手法として確立したものとされます。
一方、先に述べた2つの評価方法と比べて、客観性で見劣りする場合があります。
予測困難な将来のCFを求めた上で、その金額を一定の割引率や永久成長率を使って現在価値に直す必要があるからです。
こちらも以前、ある合併案件でDCFにて対象企業を評価したことがありましたが、WACCやフリーキャッシュフローの永久成長率等をどう定めるかによって、最終的な企業価値の算定結果がものすごく変動しました。
結果的にはこれらを合理的に計算するのが困難だったため、専門の調査会社に試算を外注して対応しています。
こちらももし上場企業であれば、証券会社のアナリストレポートなどで、その企業の目標株価を算定するためのWACCや永久成長率が示されている場合がありますので、そちらを参考にしてみてもよいかもしれません。
計算が複雑ではありますが、スタートアップ企業などを評価する場合は、1つ目のネットアセット・アプローチより適正な価値を算定できるといえるでしょう。
非常にざっくりとした内容ではありますが、以上が代表的な3つの評価手法です。
それぞれに特徴や限界があるため、実務では複数のアプローチを使い、価値を算定することが多いようです。
企業価値の評価には絶対的な正解はないですが、改めて自身が気になる企業の価値を考えてみるのも面白いかもしれません。
今回はここまで。明日はタニッチです!