【事例Ⅳ】記述問題への対応

同友館
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いつもふぞろいブログをご覧いただき、ありがとうございます。
本日はマリがお届けします。

今回は事例Ⅳの記述問題への対応について、令和元年度の問題を使って思うままに書かせていただきます。
少しでも参考になれば幸いです。

与件文を優先&第1問との関係性を考える

知識だけで答えられそうな記述問題でも、与件文や他の設問との関係性を考えましょう。
たとえば令和元年度の記述問題は……

第4問(設問2)
建材事業部では、EDIの導入を検討している。どのような財務的効果が期待できるか。60 字以内で説明せよ。

与件文の情報を確認

EDIは1次試験でも勉強します。
経理業務をされている方は、受発注・請求・決済等の業務効率化や、自動化によるミスの減少などから、コスト削減が思い浮かぶかもしれません。しかし、建材事業部で導入を検討しているわけですから、そこで何かしらの課題を抱えているはずです。その課題がどのようなものか、そしてその解決がどのような財務的効果につながるのかを考える必要があります。

与件文の第3段落に、ストレートに書かれていますね。

第1問との関係性

私は第1問の悪化指標として「売上高総利益率」と「当座比率」を解答しています。
過剰な在庫保有はキャッシュフローを悪化させ、安全性が低下します。在庫情報についても共有することを検討中のようですから、在庫量を適正化することで安全性の改善につながりそうです。

ちなみに、令和元年度の第1問では悪化指標に「棚卸資産回転率」を解答された方も多かったようです。私が棚卸資産回転率ではなく当座比率を選択した理由は、①流動比率の時点で悪化しているので安全性は指摘しておくべきだろうと考えたから、②改善指標に効率性を示す「有形固定資産回転率」を解答したから、です。

②については合格者の中でも考え方は様々です。
収益性・効率性・安全性の3つを絶対に答えなければならないわけではないとは思います。解答した指標に対し、妥当性がある記述を書けば、それなりに点数はもらえるでしょう。しかし、複数の解答候補があったとき、3つの視点からの解答が可能であれば、それを書くと私は決めていました。

……記述問題について書くつもりが、経営指標の話に逸れてしまいました。
話を戻します。

そんなこんなで、私が第4問(設問2)で書いた解答は↓です。

在庫情報の共有でD社の在庫量を削減し、安全性が向上する。在庫管理及び受発注業務の効率化でコスト削減でき、収益性が向上する。

他の事例の視点で考える

これは、私が苦手とする対応方法です……。
財務的な切り口から解答が作成できない場合、他の事例の視点で考えると書けることもあります。
順番が前後して恐縮ですが、同じ令和元年度の第4問(設問1)を見てみましょう。

第4問(設問1)
D社は建材事業部の配送業務を分離し連結子会社としている。その⒜メリットと⒝デメリットを、それぞれ30字以内で説明せよ。

メリットは与件文から考えやすいですね。建材事業部の収益性が改善する方向で考えればよいだけです。
しかしデメリットはどうでしょうか。財務の視点で答えようとすると、どうしても知識での解答になります。
ちなみに、私の解答は↓です。

⒜メリット
利益責任を明確化し、収益性改善の意思決定を迅速化できる。

⒝デメリット
内部統制システムの整備が必要となり、管理コストが増加する。

メリットは、まあそうだろうと思えますが、デメリットについては完全に知識で答えています。ちなみに「子会社への統制」は、ふぞろい流採点で1点……。かなり少数派だったようです。
それよりも組織の視点で「機能重複による管理コスト」や「セクショナリズムの発生」について言及された方が多かったようです。そうやって「財務以外の視点から考える」という対応ができると幅が広がりますよね。

最後に

知識でしか答えられないものは、知っているか知らないか、ただそれだけになってしまいます。あまり一般的ではない知識が問われた場合、正答率は大きく下がるでしょう。
しかし、そんなときでも与件文にヒントが隠れていないか、他の設問との関係から類推できないか、財務以外の視点から考えるとどうか、最後まで諦めずに食らいつきましょう。
また、わかりきっているお話ではありますが、必ず何か書きましょう。
事例Ⅳの記述問題は、「とりあえず書いておけば点数が入る」とか、「点数調整に使われている」とか、色々言われています。真実は誰にもわかりませんが、空白で出すくらいなら埋めた方がよいというのは確かです。


本日は以上です。
明日はだいちがお届けします。お楽しみに~。

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