勉強のパフォーマンスを高めるための無意識の操り方

同友館
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皆さんこんにちは! 若手合格ナビゲーターのだいちです!

9月半ばになり気温も下がってきましたが、季節の変わり目は何かと体調を崩しやすい時期です。勉強もご自身の体調と相談しながら無理なく継続することが大切ですね。

ところで、皆さんの中では「さあ、今日も勉強するぞ!」と毎日強い決心を持って勉強に臨まれる方もいらっしゃるかもしれませんが、意志力にだけ頼って勉強を続けてしまうと精神的な疲労感が蓄積しますので、かえって勉強の効率が低下してしまいます。

意志力に頼らない勉強法として、過去にIF-THENプランニングというメソッドをご紹介していますので、よろしければそちらを参照してみていただければと思いますが、勉強するのであれば、集中して学習を進められるに越したことはありません。

IF-THENプランニングに関する記事はこちら

今回は、IF-THENプランニングを実践頂いている方向けに、皆さんの無意識に働きかけることで勉強のパフォーマンスを高める方法を簡単にご紹介していきたいと思います。

 

あなたの無意識に働きかけるプライミング効果

 

いきなりですがこんな質問をさせてください。

「皆さんはご自身にまつわるあらゆる選択をすべて自分の意思で行っていますか?」

ここでいう「選択」とは、仕事でタスクの順番をどうするか、といったわかりやすいものから、通勤のときに何時の電車に乗るか、着ていく服は何にするか、朝目覚めたときに起きるか二度寝するか、といった皆さんが日々生活するうえで行っているあらゆる事象を指します。

当然ですが、これらの内容をひとつひとつ吟味したうえで選択するのは不可能に近いため、私たちは無意識の力を借りることで意思決定を省力化しています。要するに直感で決めているのです

さらに、この直感にもとづく行動の選択は、その選択を行う直前に受けた刺激(先行刺激)によって変化します。これを専門用語でプライミング効果といいます。

具体的な事例を書籍から参照してみましょう。

参考文献は『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?』です。

ここでは、言葉による先行刺激によって、プライミング効果が生じるかを検証したものになります。

ジョン・バルフらが行った、早くも古典と言うべき実験がある。この実験では、ニューヨーク大学の学生(一八〜二二歳)に五つの単語のセットから四単語の短文をつくるように指示する(たとえば、彼/見つける/それ/黄色/すぐに)。このとき一つのグループには、文章の半分に、高齢者を連想させるような単語(フロリダ、忘れっぽい、はげ、ごましお、しわなど)を混ぜておいた。この文章作成を終えると、学生グループは他の実験に臨むため、廊下の突き当たりにある別の教室に移動する。この短い移動こそが、実験の眼目である。実験者は学生たちの移動速度をこっそり計測する。するとバルフが予想したとおり、高齢者関連の単語をたくさん扱ったグループは、他のグループよりも明らかに歩く速度が遅かったのである

もちろん、この実験では学生たちは無意識のうちにゆっくり歩いていて、当人たちですら、ゆっくり歩いていることに気づかなかったというのです。

このように、シンプルな単語ですら私たちの行動に影響を及ぼしてしまうのです。

 

無意識を誘導して勉強のパフォーマンスを高める

 

では、逆に言葉を使って自分の行動に良い影響を及ぼすことは可能でしょうか?

次はこちらの著書を参照してみます。タイトルは『PRE-SUASION 影響力と説得のための革命的瞬間』です。

複数の研究が示すところによると、目標達成を暗示する単語(勝利、成就、成功、習得)にほんの少し触れるだけで、割り当てられた作業の成績が良くなり、その作業を継続する意欲も二倍以上になります

さらに、言葉以外でも、たとえば写真を用いることでも有効だと述べます。

あるコールセンターで行われている募金活動において、集金率を高める目的で、一部のオペレーターに対して優勝した瞬間のランナーの写真を印刷して渡しました。

すると、写真を持っていたオペレーターが集めた寄付金の額は、写真を持っていないオペレーターが集めた額よりも60%多くなったのです

いかがでしたでしょうか。

これらの事例を皆さんの勉強に活用していくのであれば、ご自身がよく目にするところに、目標達成に関する単語を見えるようにしておくことや、スマホの待ち受け画面を優勝したランナーの写真など、達成をイメージできる画像に変更することも有効かもしれません。

余談ですが、私は中学生のときに、高校受験対策の目的でとある進学塾に通っていたのですが、一時期強制的に「必勝」とデカデカと書かれたハチマキを巻かされたのを思い出しました。

当時は「なぜこんな恥ずかしい格好で勉強しないといけないんだろう?」と疑問に思いましたが、もしかしたら、私の無意識に働きかけて勉強のパフォーマンスを高めようという意図があったのかもしれません(たぶんなかったでしょう)。

皆さんは、ハチマキを巻く必要はないと思いますので(もちろん巻いても良いですが)、ご自身にあった方法でプライミング効果を取り入れていただくと良いのではないかと思います。

さて、明日はハイスペック合格ナビゲーターたかしより、事例Ⅳの勉強法に関する記事をお送りする予定です。お楽しみに!

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