ロジカルシンキングを超えて~その1~

同友館
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9月に入っても残暑が続いていましたが、朝晩涼しくなってきましたね。

こんにちは。独りで頑張るあなたの心、整えます。独学サポーターのタニッチです。

テレワークが続くと、早起きのモチベーションが湧かないため、ホームベーカリーを購入し、最近はパンの焼ける匂いで起床しています。おすすめです。

さて、本日のテーマはタイトルにもある通り、診断士試験ひいてはコンサルタントとして問われる「論理的思考力」を鍛えていった先にある限界について考察しています。

『ふぞろいな合格答案episode13』のP.133に「ロジカルシンキング」についての企画があるので合わせて読んでいただけると幸いです。

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?の答え

最近の私の記事は読書感想文のようになってきており恐縮ですが、本日の課題図書はこれです。

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』

要約バージョンがKindle Unlimitedに出ているので、興味はあるが時間のない方はそちらをご覧になってみてください。

そんな時間もない方向けに、本書冒頭で述べられている回答を引用します。

グローバル企業が世界的に著名なアートスクールに幹部候補を送り込む、あるいはNYやロンドンの知的専門職が早朝のギャラリートークに参加するのは、極めて功利的な目的のために「美意識」を鍛えています。

なぜなら、これまでのような「分析」「論理」「理性」に軸足をおいた経営、いわば「サイエンス重視の意思決定」では、今日のように複雑で不安定な世界においてビジネスのかじ取りをすることはできない、ということをよくわかっているからです。

 

このように考える具体的な理由が3つ挙げられ、それぞれが章立てされ考察されています。

特に共感したのが下記の要因です。

「VUCAの時代における論理的・理性的な情報処理スキルの限界の露呈」

すなわち、

  • 正解のコモディティ化
  • 差別化の消失

が起こっているとのこと。

※VUCAとは、Volatility(不安定)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)という今日の世界の状況を表す4つの単語の頭文字の組み合わせ。

似たような経験をしたことがありませんか?

勉強を進める中で、ふぞろい流で採点すると合格点は取れるし標準的な解答を書けるようになってきたけど、このまま合格できるか不安…どうにかして他の受験生と差別化するために完璧な答案を書かないとという焦燥感にかられる。そう、昨年の9月ごろの私であり、今年のふぞろい夏セミナーでも何度か上がった相談事項です。

 

ロジカルシンキングは十分ですか?

上記の不安は、独学で他の受験生のレベルが測れないため生じるもので、大手予備校の模試が実施され結果が芳しくない場合など特に、焦ってしまうかと思います。

結果、直前期になっても手あたり次第よさそうな方法を試してみるという行動に走ってしまいがちです。

かくいう私も昨年のTACの模試で平均点ちょうどで、C判定という結果を受け、この時期になっても解答プロセスが確立できず、試行錯誤を続けていました。

頭をガツンとやられたのが、下記だいまつさんの道場記事です。

【永久保存版】平成29年度2次試験事例Ⅰ超高得点解答にみる2次試験合格のポイント!

(※私が読んでいた書籍『一発合格』にも掲載があり、昨年のこの時期に読み返してようやく本試験における「因果関係」とはどういうことか腑に落ち、自身の論理的思考力を見直すきっかけになりました。また、変に差別化を図るよりも、設問要求に真正面から答える、という試験の大原則の重要性を改めて実感できました。)

この時期になると過去問が数周目に入るかと思います。キーワード自体をなんとなく記憶していて、自己採点が良かった可能性もありますし、見直し時は思考プロセスを再度点検してみましょう。

本書にも出てきますが、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という箴言にもあるように、優れた意思決定の多くは、論理的に説明できないことが多い、つまり「非論理」というより「超論理」なのです。一方で、過去の失敗事例を分析するとその多くは論理的に説明できます。

高得点答案を目指すのであれば「超論理」を狙ってもよいかもしれませんが、あくまで合格を目指すのであれば徹底的に与件文という「事実」から論理を積み上げて解答し、「非論理」にならないことを意識してみましょう。

 

これまでの2次試験とは異なる設問が来たら?

現在は感染症拡大や異常気象の多発など、先が読めません。今年は2次受験者も過去最大になると予想されます。

受験生をふるい落とすために、これまでの2次試験では問われてこなかったような形式の設問が出てくることも考えられます。

特に昨今ではフレームワークやノウハウが広まっており、論理的思考自体が陳腐化していると仮定すると、ロジカルシンキングとは別の方法に頼ってみるのも合理的かもしれません。

最初に挙げた本書の「美意識」の鍛え方を挙げると下記のとおりです。

  • 絵画を見る(観察眼を養う)
  • VTS(=Visual Thinking Strategy)で「見る力」を鍛える
  • 哲学に親しむ
  • 文学や詩を読む

どれもすぐには効果は出ませんね(苦笑)。すぐに役に立つ知識はすぐに役に立たなくなるものなのです。

この中でも特に思考法に関連してくる「哲学」に関して、2日後に再び私のブログの順番ですので、その際に実践可能な方法を紹介していこうと思います。

明日はうえちゃんです。

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