ストレス解消だけじゃない! 集中力も高める自然の力

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皆さんこんにちは! 若手合格ナビゲーターのだいちです。
以前の記事で、脳のパフォーマンスを高めるには運動をすればいいですよ、ということをお伝えさせていただいたと思いますが、今回は同様のテーマで、自然のなかにいると脳の認知機能や集中力が高まるという研究がいくつかありますのでご紹介していきたいと思います。

(運動に関する記事はこちら)

自然というと、アウトドアのような本格的な自然をイメージされる方もいらっしゃるかもしれませんが、アウトドアに限らず整備された公園も自然に含まれます。

今回の参考文献は『NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる 最新科学でわかった創造性と幸福感の高め方』を参照しております。
よろしければ書籍もチェックしてみてください!

 

自然のストレス解消効果

 

自然がストレス解消によいということは、皆さんのご経験からもなんとなくイメージしやすいのではないでしょうか。

心理学者ロジャー・ウルリッヒは、(中略)一二〇人の学生に木工所で起こったむごたらしい事故の映像を見せ、強いストレスを与えた。そして精神性発汗、心拍数、血圧を計測して交感神経活動を測定したところ、被験者たちが苦痛を覚えていることがわかった。その後、被験者をふたつのグループに分け、いっぽうには自然の風景を一〇分間見てもらい、他方には同じ時間、都会(ショッピングモールの鋪道や道路を走る車)の風景を見てもらった。すると、大きな違いが生じた。自然の風景を見た被験者の脳は五分後には通常の状態にまで回復したが、人工的な風景を見た被験者の脳は一〇分以上経過したあとも、ある程度しか回復しなかった

強いストレスにさらされた場合においても、自然のなかにいることで回復が可能であることが示された内容です。

 

騒音を避け、自然の音を取り入れる

 

また、興味深いことに視覚だけでなく聴覚においても都会と自然とで違いが出るようです。なんと都会の騒音が脳の認知機能に悪影響を及ぼすというのです。

騒音公害と子どもの認知機能に関する最大規模の研究がEUから助成金を得て実施された。二〇〇五年にイギリスの医学専門誌『ランセット』に掲載されたその論文は、イギリス、スペイン、オランダの主要空港の近辺にある小学校に通う数千人の子どもたちの読解力と記憶力と多動に、騒音があきらかな悪影響を及ぼしていると報告した。騒音が五デシベル上昇すると読解力で二か月分の遅れがでる。つまり騒音が二〇デシベル高い地域に暮らす子どもは、そうでない地域の子どもより一年近くも、勉強で遅れをとることになる

これに対し、自然の音を取り入れた場合は集中力を高めることができます。著書では、代表的な自然の音として「風の音」「水の音」「鳥のさえずり」を挙げており、最後の「鳥のさえずり」が最も効果が高いと述べます。

リヴァプールの小学校の生徒を対象にした実験では、鳥の鳴き声を聞いた生徒は聞かなかった生徒より、昼食後の集中力が高かった。

以上のことから、勉強する環境において周囲の音がうるさいといった場合はノイズキャンセリングのイヤホンなどを購入して騒音をシャットアウトするとともに、YouTubeなどで鳥のさえずりの音を再生することで集中力を高めることが可能になるでしょう。

 

公園に行こう

 

私が受験生時代、自宅で勉強中にストレスが溜まってしまい、どうしても目の前に自然を取り入れたいという衝動に駆られたときがありました。そこで私は手元のノートパソコンを用意して、YouTubeで自然の動画を再生し、勉強しながらそれを眺めるといったことをしていました。結論からいうと、あんまり意味がなかったです。

近くに公園があったので、そこで散歩していた方がよっぽど効果がありました。散歩することで運動による脳へのメリットを得ることができますので、勉強の合間は是非公園を散歩する習慣を取り入れていただくとよりよいのではないかと思います。

さて、明日は皆さんお待ちかね、ハイスペック合格ナビゲーターのたかしより、時間の使い方に関するありがたい記事がアップされる予定です。お楽しみに!

 

 

[参考文献]
■ フローレンス・ウィリアムズ 著(栗木さつき・森嶋マリ 訳)『NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる 最新科学でわかった創造性と幸福感の高め方』
 ・Roger S. Ulrich et al., “Stress Recovery During Exprosure to Natural and Urban Environments, “Journal of Environmental Psychology, vol.11: 201-30

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