解答の一貫性はいる? 課題解決フロー? + となりの道場

同友館
doyukan_logo

本日もお越しいただき、ありがとうございます。
牛の歩みも千里、みずのです。

2次試験の勉強が進み、雲をつかむような感覚に驚いている頃でしょうか。
それとも手応えをつかんでいる方もいらっしゃるでしょうか。

私が初めて2次試験の過去問を解いてみたときは、手も足もでない状態でした。
適当に答えを書こうとするもそれすら難しく、半分もマス目を埋められないまま30分でリタイアしました∩(・∀・)∩

そこから約3年、長かったですね~。
本日からは、30分リタイアから合格までのつまずきや戸惑いをもとに気付きや改善策を書こうと思います。

本日のお題は(๑•̀ω•́)و✧

解答の一貫性はあった方が良いの?

2次試験の勉強をしていると様々な噂が聞こえてきます。
「字はきれいな方が良い」とか「解答の一貫性があった方が良い」とか。
正解も採点基準も公表されていないため、人によって意見が違うことも多々。

本日はその中で「解答の一貫性があった方が良い?」をテーマにお送りします。
「与件を根拠に因果で書く」がいまいちピンとこない方向けでもあります。

解答の一貫性とは

解答の一貫性とは、1~5問ほどある設問の解答に筋が通っていること、矛盾がないことです。

令和元年度事例Ⅱの例でお話します。

【設問】(抜粋)

第1問
小型ショッピングモール開業を控えた2019年10月末時点のB社の状況について、SWOT分析をせよ。

第3問
(設問2)
協業を通じて獲得した顧客層をリピートにつなげるために、初回来店時に店内での接客を通じてどのような提案をすべきか。

【解答例】

第1問(W):店舗が細長く狭い。

第3問(設問2):貸衣装の予約会を行い、定期的な来店を促す。

細長く狭いお店で貸衣装の予約会を開催する?

なんとなく、おかしい気がしませんか。
(提案になっていないというのもありますが……)

第3段落には店舗の狭さについて「2人が施術すれば満員となる」という情報もあります。
そこで予約会を開催し、試着するのは現実的ではない気がしませんか。
与件文最後の(注)にも予約会は大規模な会場で行われることが、わざわざ書かれています。

お預かりした再現答案も「B社店舗で予約会を開催する」と記述した答案は少数だったため、ふぞろい流採点では加点対象外としています。

こうしたことから、解答の一貫性はある方が良いのかなと考えています。

一貫性があるかどうかが加点基準になっているかは分かりません。
しかし、一貫性のある解答になるように問題が作られているので、一貫性のない解答=加点対象外のことを書いていることになり、点数が伸びにくいのではないかと推測しています。

解答の一貫性に対する様々な意見

解答の一貫性はあった方が良いと思うものの、80分間でどこまでこだわるかは悩みどころです。

セミナーや勉強会などで聞いた意見もばらばらでした。

  • 出題者が想定している正答には一貫性があるはずなので、一貫性は意識する
  • 満点を目指す試験ではないので、解答の一貫性にもこだわりすぎない
  • 一貫性を持たせようと無理矢理、解答を変えても得点が伸びるとは限らないので気にしすぎない
  • 個々の設問に答えることに集中して一貫性は意識しない

どの意見にも、うなずくものがあります。

私自身は、最後の回答以外は全部あてはまります。
一貫性をある程度意識しながらも、1問1問、常に解答の一貫性にこだわるような余裕は正直言ってない。辻褄合わせのためだけに直すことはしない。
そんな感じです。

最後の回答も否定するわけではなく、一貫性を意識せず、個々の設問に集中して合格点を取れるということは、個々の設問を分析する力がとても高い、すごい方だと思います。

私は正直そのような自信はなく、一貫性を意識した方が大外しにくかったので、意識する方法を選んでいました。
身も蓋もない言い方をすると、分析力の弱さや容量の悪さをカバーするための方法だったので、参考になりそうだと思われた方だけ参考にしていただければと思います。

設問の流れから解答の一貫性を推測する

設問の流れと課題解決フロー

どうやって解答の一貫性を意識していたかと言いますと、設問の流れをフローで整理して、解答の方向性を推測していました。

設問の流れを整理するのに使っていたのが、下図の現状分析から課題解決までのフローです。
(2次試験用に自分なりに整理したものなので、実務とは異なる点や正確ではない点があるかもしれません)

設問要求の把握やレイヤーの分析よりマクロなイメージです。
(設問要求やレイヤーについてはまっつはるかの記事をご覧ください)

(問題点も分析によって見つかるものですが、設問の流れを把握するうえで重要度が高いので、分析結果の中から問題点を取り出すステップを作っていました)

設問によって問題点や課題、対応策など、問われる箇所は異なりますが、大体このフローのどこかに属していました。
さらに細かいものですと、失敗につながりそうな要素≒リスク、失敗しないために気を付けること≒留意点などが問われることもあります。

大事なのは、分析に基づいて課題や対応策があり、理想像(あるべき姿)まで因果でつながっていることです。
課題が複数ある場合はフローを組み合わせて、事例企業の理想像に向かわせる作りになっています。
(理想像については次回以降お送りします)

このフローを設問や与件、一次知識で埋めていき、設問で問われている範囲を答えることで根拠を持った解答ができるようになり、大外しもしにくくなりました。

私にとって試験勉強の中で大きな転機になったのがこれでした。
そんなこんなで、この記事は過去の自分に向ける気持ちで書いています。

「そんな当たり前のこと知ってるよ!」と思われた方は、ここから始めても合格できるのだと励みにしていただければと思います。

身近な例に当てはめると

身近な例に当てはめてみます。

「Aさんの痛みを治すために、どのような対応策をとるべきか提案せよ」という設問があったとします。
これだけじゃ、答えようがないですね。

「どこが痛いの?」「痛みの原因は?」などなど。
そんなわけでAさんに話を聞いたり、様子を見てみる必要があります。
これが、2次試験だと「与件に情報を探しに行く」にあたります。
(聞かれたことがそのまま与件に書いてあることもあります)

そうして得た情報もフローにまとめてみた結果、こうなったとします。

これを見ると、おそらく大多数の人は「(たぶん虫歯だと思うから)歯医者へ行って虫歯を治した方が良いんじゃ」と思いますよね。
ほぼ無意識レベルで一般常識を使って虫歯や歯医者を連想したと思います。
2次試験でいうところの「与件情報をもとに1次知識を使って多くの人が書けるはずのこと」です。(1次試験ほど枝葉末節の知識を覚えていなくても大丈夫です)
ここで「病院に行く」「痛み止めを飲む」「湿布を貼る」と羅列してもAさんの悩みが本当に解決するかは微妙ですよね。

少し視点を変えまして、もしも別々の設問で「痛みの原因」と「対応策」を聞かれたら

  • 【痛みの原因】虫歯があるため
  • 【対応策】歯医者へ行って虫歯を治療する

このような答えになると思います。
一貫性がありますね。

令和元年度 事例Ⅱに当てはめると

令和元年度 事例Ⅱの問題をフローに当てはめると、下図のようになります。

赤字の箇所は設問要求に対応しています。
(そのうち、赤字+下線の箇所は、設問文を赤丸で囲んでいました。
赤丸の数=設問要求の数になるため、解答のヌケ・モレ防止になります)

普段の演習では書いて整理することもありましたが、試験当日はここまで細かく書く時間はないので、設問文に線や矢印を引きながら頭の中で整理してました。

細かい点(多くの受験生を悩ませた「理由」など)は現時点ではおいておきまして、設問要求やレイヤーなどの分析を終えた後、設問全体をぼんやりと眺めながら、こんな風に設問の流れをイメージしていました。
時間的には数十秒ほどです。

第1問→第2問・第3問の流れ

第1問の強み、弱み、機会、脅威をふまえて第2問や第3問を答えることが、一貫性のある解答を書くうえで重要になります。

高得点を獲得したとうへいは、特に第2問や第3問を解く際、第1問で解答した強みを生かすことを強く意識していました。

「じゃあ『第1問の強みを使って第2問以降を解く』だけで良いじゃん」とも言えます。
でも、そうすると、第1問でSWOT分析が問われないという変化球が来たときに困ってしまうんですね。
厄介なことに、2次試験は割とその手の変化球をちょいちょい投げてきます。

そのようなときに、フローで考えることで「他の設問で分析問題がないかな」とか「問われてないけど、がっちり分析をしないといけないな」と対応ができるようになりました。

第3問(設問1)→第3問(設問2)の流れ

第3問の設問1と設問2もつながっている(設問1では顧客を獲得し、設問2では設問1で獲得した顧客へ提案する)ので、一貫性があった方が良いと思います。

私は矛盾していないものの、一貫性の薄い解答になってしまいました。
設問全体の流れはイメージしつつも完璧はムリ……その通りの結果になっちゃいましたね。
でも、解答の一貫性をもっと意識していたら、より良い答案が書けたのではないかなと思っています。

設問全体をざっくりまとめると

冒頭でも書いた通り、設問全体の流れをイメージすることには、副次的な効果もありました。
設問全体の流れをざっくりまとめると、以下のようになります。

  • SWOTは要になりそう
  • 顧客が大量に減少する見込みらしい(なんで?)
  • デザイン重視既存顧客の客単価を高めつつ、協業で新規顧客を獲得してなんとかしたい

こんな風に全体のストーリーを頭の隅に入れておくことで、与件の予測がついて理解しやすくなったり、解答の方向をつかみやすくなったりしたと思います。

ちなみに、令和元年度の事例Ⅰの設問をざっくりまとめると、こんな感じです。

  • A社長就任前は、メンテナンス事業がうまくいかなかったり、高コスト体質だったりとイマイチだった
  • A社長就任後、改革など色々取り組んだ結果、新規事業も割と良い感じに進んでそう
  • 組織再編も検討したけど、見送ることにしたらしい(なんで?)

このようなことを頭に入れて与件を読んでみると、A社長就任前も最初は業績が良くて、若干びっくりします。
でも、原因は外部環境に恵まれてただけで、甘んじていたら外部環境が変わり、ゆでガエルに……そして、A社長が就任後に頑張って改革するストーリーが見えてきます。

業績が良いことにびっくりしたからこそ、その原因に着目して読むことができ、弊害にも気が付きやすく、解答もしやすくなったと思います。(そうは言っても62点でしたが……)

次回は、与件に情報を探しに行くときに気にかけていたポイントをお送りする予定です。
(与件にどんな情報を探しに行くか、上のフローから多少想像できると思います)

【コラボ企画】となりの道場 – zenzenさん

ここからは、一発合格道場さんとのコラボ企画として「となりの道場」をお送りします。

一発合格道場さんには、1次試験の勉強をしていた頃からお世話になっていました。
こうしてブログを書いているだけで貴重な経験をさせてもらっていますが、コラボ企画で一発合格道場さんとも関わることができるとは夢にも思っていませんでした。嬉しい限りです。

前回の記事で、だいまつさんやきゃっしいさんの記事をご紹介しましたが、今回は第9期のzenzenさんをご紹介したいと思います。

ブランクを挟みつつ1次6回、2次3回を経て合格を勝ち取られました。
一発合格道場の看板からストレート合格者のみのイメージが湧きますが、実は多年度生も参加されているんです。

zenzenさんは「例えるなら、坑道のカナリア」と称して、苦しい思いをされた方だからこそ伝えられる経験や気持ちを発信されています。

おすすめの記事が「二次試験、現在地はどこか。自分の課題は何か。」です。

  • だいまつさんやきゃっしいさんの記事がすごすぎて、このレベルに到達できる気がしない
  • それっぽい答案を書けるようになったけど不安定
  • 合格できるんだろうか

そんな方々に読んでいただきたいです。

60点を越える答案を書けるようになるまでの状況がステップごとに示されています。
私も受験生時代、この記事を読んで現在の自分の位置や次のステップへ向けた課題を確認していました。
自分の位置が分かると、成長度合いや目標への距離感を把握できるため、モチベーション維持にもなりました。

次にご紹介したいのは、下記の2本です。
苦杯をなめられた方や今一つ前向きになれない方向けの記事です。

現在、2次試験に向けて猛スパートをかけてらっしゃる方向けではないのですが、一発合格道場を紹介するうえで外すことはできませんでした。

もやもやした気持ちが少しでも解消されたら幸いです。

明日は、とうへいが「2次筆記試験の合格可能性を高めるため」をテーマにお送りします。

「この記事が参考になった」と思った方はクリックをお願いします!
SNSでフォローする