「承認欲求」との戦い

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本記事の目的

こんにちは。大人の学び直し実践家のYumaです。

先週土曜日から春のオンラインセミナーを開催中です。セミナーの事前にご視聴いただけるよう各事例で動画を作成しており、事例Ⅱでは分析チームリーダーのとうへいが具体例の一つとして私の再現答案(第1問と第3問(設問1))を使って2次試験の解答作成方法を説明しています。

図:春セミナー事例Ⅱ動画より

動画を視聴して、我ながら良い解答を書いたものだと思いました、というのは冗談ですが、勉強時間が圧倒的に少なかった私としては、本番試験中に与件文と各設問間の関係をうまく見渡せたのは奇跡的な閃きがあったに過ぎず、あの日の私の冴えに感謝したいところです。

言うまでもないことながら、閃きに頼る解答作法はよくないのでしょう。その証拠に、第3問(設問2)では、的はずれな閃きに駆動された解答を書いてしまい、またあまりにユニークな解答のため事例Ⅱ分析チームを混乱に陥れ(?)てしまいました。本記事は「承認欲求」をキーワードにその解答をご紹介するものとなります。

令和元年度事例Ⅱ「第3問(設問2)」設問文と再現答案

令和元年度事例Ⅱ「第3問(設問2)」の設問文は以下のとおりです:

協業を通じて獲得した顧客層をリピートにつなげるために、初回来店時に店内での接客を通じてどのような提案をすべきか。価格プロモーション以外の提案について、理由と併せて100字以内で助言せよ。

また、出題の趣旨は以下のとおりです:

B社の強みを活かし、新規顧客との長期的関係性を築く施策を提言する能力を問う問題である。

これに対して私が書いた解答は以下でした:

貸衣装を試着させジェルネイルのトータルコーディネーションを行い、写真をSNSなどに掲載するとサービスを与える提案。友人知人からの「いいね」獲得による承認欲求の充足で愛顧を獲得できるため。

図:承認欲求を充足してB社への愛顧が増した顧客のイメージ

……。

再現答案のプロジェクトへの影響(?)

上記の解答は、ふぞろい流の採点によると25点中10点(ちなみに、ABCD区分においてD区分とご申告いただいた方の平均点は10.5点でした)。この設問が足を引っ張り、途中までは順調に得点を重ねたにもかかわらず事例Ⅱは69点(開示請求得点)にとどまりました。

分析チームメンバーのたかしは「第3問(設問1)までで合格点を取得したと見切ったから、最後の問題で遊んじゃったのでは?」と訝しんだそうです(もちろん大真面目に解答してましたが)。また、「承認欲求」というキーワードを使用したのは全290答案中ただ一つ。私しか使っていないことが判明し、それ以来ふぞろい13プロジェクトでは当キーワードが独特のニュアンスを帯びた概念になってしまいました。

内なる承認欲求との戦い

一応弁解すると、試験本番時の私が飛びついてしまったのがAISASという概念でした。WebやSNSが発達した現代における消費者購買心理プロセスを説明するもので、伝統的なAIDMAと比較して使用されます。AISASの最後2つのプロセスはAction(行動)とShare(共有)を意味しており、インスタ映えする写真に「いいね!」で承認欲求を満たして長期的関係が構築できるよね、と思ってしまった次第です。

上記動画ではSWOT分析を踏まえて解答を構成することの重要性をとうへいは指摘しています。そのとおりですが、私の場合設問1でできたことが設問2ではできませんでした。なぜ理解したはずの解答作成の原則に乗っ取らず、その場の閃きに頼った解答を作成してしまうのか。

それは、「承認欲求」が原因なのでしょう。知らぬ間に<私の深い知識によって顧客の問題を華麗に解決することにより、私を認めてほしい>という欲求が漏れ出てしまう。問題文に書いてあることの理解を押しのけて問題文に触発されて想起されたあれこれが浮かんでしまう。承認欲求はほんとうに制御しがたい欲望です。2次試験の対策を通じて内なる承認欲求を抑えるトレーニングをすることは、本番試験で高得点を取るにとどまらず診断の現場でも役に立つのでしょう。

ところで本設問はどう解答すべきだったのか? ブログではとうへいが事例Ⅱの答案と試験中の心象の再現を3部作でお届けしており、当設問は次回の完結編で登場するようです。また、詳細な分析結果は近日発売予定の『ふぞろいな合格答案』エピソード13をご参照ください。

(本記事、バズるといいな)


明日は昔も今もモテモテのアラフィフ・ジェントルマンこーしの登場です。

 

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