緊急事態宣言が延長される方向になりそうです。今年受験のみなさんは本当に、本当に、セルフコントロールが難しい状況だと思います。
過去一番と言ってもいいかもしれないくらいの困難の中で勉強に取り組んでいるみなさんを心から尊敬しますし、「ふぞろい13」のメンバーの一員としてサポートできればと思います。
みなさんこんにちは、「勉強は無理せず少しずつ」がモットーのアラフォー受験生応援団のヌワンコです。自己紹介はこちら。
さて今日は、先日のじょーきの記事に乗っかろうと思います。
「二次試験は国語の試験」と言われることもあり、私もそう思うのですが、診断士試験ならではの傾向・クセがあります。
具体的にはこんなところです。
目次
受験国語では「『つまり』や『要するに』の後は重要」「『しかし』の後は重要」と教えられました。これは2次試験の文章を読むうえでも変わらないのですが、これに加えて2次試験ならではの傾向として、添加を表す「さらに」「しかも」「そのうえ」の出番がやたらと多いです。
しかも、これを重ねて使ってきます。たとえば昨年度の事例Ⅰ(第3段落)。
しかし、1980年代半ばに公企業の民営化が進んだ頃から向かい風が吹き始め~(中略)~徐々にたばこ市場の縮小傾向が進んだ。さらに、受動喫煙問題が社会問題化すると、市場の縮小はますます顕著になった。しかも時を同じくして、葉たばこ生産者の後継者不足や高齢化が急速に進み~(略)
出題者の「注目して欲しい」というメッセージかと思うのですが、こういう形の文章が出た時は注意して読みましょう。
接続詞についてはもうひとつ。
「なお」という接続詞は補足、つまり「言い忘れてたけど~」くらいの意味ですが、こと診断士試験においては見落としてはいけない接続詞です。
たとえば昨年度の事例Ⅱ(第2段落)。
なお、Yさんはその時期、前職の貸衣装チェーン店が予約会を開催し、~(中略)~パートタイマーの同社店舗スタッフとして働いていた。Yさんは七五三、卒業式、結婚式に~(中略)~、同社に惜しまれながらの退職であった。
「なお」から始まるYさんの前職の話は4行半に及びます。こう言ってはなんですが、「なお」で語っていいボリュームじゃないです。
この「なお」さん、なんと第3段落でも出てきます。
なお、当該店舗は商店街の中心部からは離れた場所にあり、建築から年数がたっており、細長いスペースが敬遠されていた。
思わず、「『なお』じゃないんでしょ?本当は話を聞いて欲しいんでしょ?」と声をかけてあげたくなります。与件文のサインを見逃さないでくださいね。
内容の説明をする前にこの文章を見ていただきましょう。
とはいえ、A社のような売上も利益も少ない規模の小さな中小企業が研究開発型企業として生き残るためには、必要な研究開発費を捻出することがもうひとつの重要な経営課題である。
これは平成26年度の事例Ⅰの与件文です。ここでは「必要な研究開発費の捻出」が「もうひとつの重要な経営課題」だと言っているのですが、対になるべき経営課題を読み取るのが難しい構成になっています。
「ひとつめの経営課題は~」とか、「~が経営課題である」とでも書いてあればいいのですが、経営課題という単語はこの一回しか出てきません。
したがって与件文の内容から経営課題を抽出する必要があります。
そして、似たような構成が昨年度の事例Ⅲにありました。13段落目ですが、
生産設備面では、現在の機械加工部門の工程能力を考慮すると加工設備の増強が必要であり、敷地内の空きスペースに設備を増強するために新工場の検討を行っている。
「~面」と書いてあれば対になる「~面」があるはず!と思って探しに行くのですが、残念ながらありません。結果、一抹の不安を感じながら「これのことかな?」と読み解いていくことになります。
わたし個人の意見ですが、2次試験の問題をたくさん読み解き、解答も「~面では、~面では」と書くことが定着している受験生を惑わせるために、こういった仕掛けを入れているのではないかな?と思います。
という訳で本日は、
2次試験の与件文は、時にヒントを与え、時に受験生を惑わせてくる
というお話でした。
さて明日は、かーなの登場です。毎回示唆に富んだコンテンツを用意してくれる彼女、明日はどんなお話をしてくれるのでしょうか、お楽しみに。