申込期限に遅れたから受験できなかった話・その他の話

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本記事の目的

こんにちは。大人の学び直し実践家のYumaです。本記事は、すでに申込期間が開始しているにも関わらず、様々な理由により受験申込を躊躇っている受験生の方に、私のいくつかの経験をお伝えするものとなります。

 

試験が延期したから試験に合格できた話


新型コロナウィルス感染症蔓延の状況下、試験の実施の可否について気を揉まれている方も多いかと思います。
初回の記事に以下のように書きましたが、その想定を超える事態です。

試験は何が起こるかわかりません……出題ミスとか採点ミスとか自分の関与できないことも含め。

既に申し込まれ今年度の合格を決意されている方は、様々なニュースに接することで心が乱れることも多いかと思いますが、どうぞ計画したペースで、もしくは著しい環境変化を考慮したローリングプランを策定して、勉強を継続なさってください。

一方で、受験を検討していたが勉強の進捗が思わしくなく、あるいは環境変化を鑑みつつ今年度の受験を断念しようかと検討している方もいるかもしれません。以下は後者の方に対して私の経験をご紹介するものです。

10年ほどまえ、情報処理技術者試験の春季試験(データベーススペシャリスト)の申し込みを行いました。当時、データベースを含めたソフトウェア技術群の教育事業に関わっており、自身の技術向上を目的としたものでしたが、例によって勉強は進まず、受験会場に行くこともないだろうと諦めきっていました。

そして試験まであとひと月となった頃、東日本大震災が発生します。

震災の影響が少ない地域に住んでいたため私自身の日々の生活はさほど変わりませんでしたが、それがもたらす業務への影響もあり、試験のことなどすっかり忘れていたかと思います。そんな折、試験を実施する情報処理推進機構より3月末、試験を2ヶ月延期する旨の発表が行われたのでした。

目標を立ててもそれを実現できないことを繰り返す堕落した(?)生活を送っていた私も、社会情勢を見聞するにつれ神妙になり、毎日の自分の生活をきちんと過ごすことが社会貢献にもつながるのだろうと思い、そこから試験勉強を開始し、なんとか試験に合格しました。

上記を要約すれば「試験が延期したから試験に合格できた話」となりますが、生死に関わる社会情勢変化に密接した体験であり、なかなか複雑な感情を想起するものでもあり、なにか教訓めいたアドバイスを抽出しがたいエピソードではあります。
多くを語るものではありませんが、勉強をまだ開始していなかったり合格を諦めたりしている方のご参考になればと思い記した次第です。


試験は簡単には延期できない話

さて、今年度春季の情報処理技術者試験は早い段階で中止のアナウンスが行われました。
その時点では他の試験の実施可否がアナウンスがされていないものも多く、不安に感じる受験生の声が多かったよう。
その中で、試験実施は法律に規定されているからなかなか意思決定できない、という指摘を目にしたため、少し調べて見ました。

中小企業診断士試験は「中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則にその運用が定義されています。関連する条文として以下がありました:

第三十九条 試験は、毎年少なくとも一回行う。

第五十二条 指定試験機関は、経済産業大臣の許可を受けなければ、試験事務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。

第五十七条 経済産業大臣は、指定試験機関が第五十二条の許可を受けて試験事務の全部若しくは一部を休止したとき、(中略)又は指定試験機関が天災その他の事由により試験事務の全部若しくは一部を実施することが困難となった場合において必要があると認めるときは、(中略)試験事務の全部又は一部を自ら行うものとする。

天災に関する記述があるものの中止についての記述はなく、何があっても試験は実施するという非常に強い意志を感じる条文であり、簡単には中止の判断はできないようですね。最終的には経産省の判断になるのでしょうか。

情報処理技術者試験もおなじ経産省が所轄する試験であり、「情報処理の促進に関する法律施行規則」に同様の記述があります(第四条 支援士試験(=第三十九条:技術者試験)は、毎年少なくとも一回行い)。
ただし、この試験はもともと年に2回実施されることから、春季試験を中止する判断は比較的容易だったのかもしれないと想像しました。

4月8日には司法試験・予備試験の、10日には弁理士試験の延期が発表され、中小企業診断士試験を始め他の試験の実施団体の意思決定に影響があるのではないかと想定されますが、まあそれはそれとして、心惑わされることなく勉強に取り組みたいところです。

神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。
変えるべきものを変える勇気を、
そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えて下さい。
ニーバーの祈り

参考:その他の主要な資格試験の実施回数に関する規定:

資格名直近の試験日と現時点中止・延期判断根拠法条文
情報処理安全確保支援士
情報処理技術者
4月19日
→中止
情報処理の促進に関する法律施行規則第四条 支援士試験(第三十九条:技術者試験)は、毎年少なくとも一回行い(後略)
司法試験、予備試験5月13日
→延期
司法試験法第七条 司法試験及び予備試験は、それぞれ、司法試験委員会が毎年一回以上行うものとし(後略)。
弁理士 5月17日
→延期
弁理士法 第十二条  2 弁理士試験は、毎年一回以上、これを行う。
公認会計士5月24日
→延期*1
公認会計士試験規則第二条 公認会計士試験は、毎年一回以上、(中略)行う。
中小企業診断士7月11日中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則第三十九条 試験は、毎年少なくとも一回行う。
技術士7月11日技術士法第七条 技術士試験は、毎年一回以上、文部科学大臣が行う。
税理士8月18日税理士法第十二条
2 税理士試験は、毎年一回以上行う。

*1:4/17に延期発表のため修正

申込期限に遅れたから受験できなかった話

最後に、悲しい話を披露して取り留めない記事を締めくくりたいと思います。

先日YouTubeにて、ほらっちチャンネルを見ていました。

第1次試験申込に関する内容で、未申込みの方はぜひご覧いただければと思いますが、その中で、以下のコメントがありました:

毎年、全国で、一人か二人くらいかと思いますが、お申し込みを忘れてしまう方が実際にいらっしゃいます。その方はですね、泣いてたりします。

……。

私は上記の箇所を聞いて、診断士試験で申込期限の翌週に申し込んでしまったことを思い出しました。気づかず勉強をしていたある日、診断協会より返金の通知があり、申込期限を勘違いしていたことに気づきました。泣きはしませんでしたが。

申込期限は5月8日であり、申込みは緊急事態宣言が明けてからでもいいかな、と思っていらっしゃる方へ。気持ちはよくわかりますが、忘れないでくださいね。


以上、本記事に試験申込についての雑感をあれこれ記載いたしましたが、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

明日はゴルフもソフトボールも嗜むアラフィフジェントルマンのこーしが担当です。

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