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それでは本日は、科目受験と保険受験についてです。
どちらも多年度生や複数年での受験を考えている方向けです。
申し訳ありません。今日は長いです。
既に科目受験と保険受験について、よくご存じの方や「絶対ストレートで合格してみせる」という方は、本日の記事はさらっと流していただいて大丈夫かと思います。
目次
中小企業診断士試験の合格基準や科目合格制度について、たかしが分かりやすく説明してくれています。
たかしは科目合格制度についてこのような結論を述べています。
まさにその通りだと思います。
結論はこの通りで終わってしまうので、結論さえ分かればOKという方は保険受験(1次試験合格後)まで飛ばしていただいて大丈夫です。
内輪の話で申し訳ありませんが、すごい点数ですね。
これほどの点数を取れるなら科目合格制度を活用してもしなくても合格できるのではと思いますが、それにも関わらず科目合格狙いのリスクを考えて、他の受験生にも参考になる記事を書けるところもすごいと思います。
たかしの点数を見て気になることがありませんでしたでしょうか。
2年間通してどの科目も高得点なのに、なぜ平成30年度の経営法務は40点台だったのか気になりませんか。
平成30年度の経営法務を受験された方はご存じかと思いますが、非常に難易度が高く、一律で8点加点されるという措置が取られるほどでした。
中小企業診断士の1次試験は科目ごとの難易度の差が激しく、受験生を悩ませる大きな要因の1つだと思っています。
参考までに中小企業診断協会の統計資料を基に直近5年度分の科目合格率のグラフを作ってみました。
7科目全部だとグラフが見辛いので、経済学・経済政策、財務・会計、運営管理、経営法務の4科目を抜き出しています。
(科目合格者に1次試験合格者は含まれないため、60点以上取った受験者数とは異なります)
年度によって科目合格率がばらばらですね。また、合格率が高い科目の順位も年度によって入れ替わっています。
先ほどお話した平成30年度の経営法務は、科目合格率が5%で非常に難しかったことがグラフからも分かります。
一方、経済学・経済政策は比較的高めで安定しているように見えるかと思います。しかし、グラフには載せていませんが平成25年度の合格率は2.13%でした。
それくらい難易度の変化が激しいことがお分かりいただけたでしょうか。
なお、公式なデータではありませんが、TACが行っているデータリサーチに基づく科目ごとの平均点も難易度の参考になります。
データリサーチに基づく平均点は、WEBサイトから請求できる模範回答集で見ることができます。
私の平成28年度から令和元年度まで4年連続で受けてみて実際どうだったか、恥を忍んで振り返ってみたいと思います。
科目 | 点数 |
経済学・経済政策 | 60 |
財務・会計 | 76 |
企業経営理論 | 50 |
運営管理 | 52 |
経営法務 | 55 |
経営情報システム | 56 |
中小企業経営・中小企業政策 | 55 |
合計点 (1科目あたり平均点) |
404 (57.7) |
合格できたのは2科目だけでした。
平成27年11月から勉強を始め、1次試験の合格に必要な勉強時間の目安と言われる800時間を確保できたにも関わらず、この結果です。
今振り返ると、よく諦めなかったと思います。鈍感ってすごいですね。
そして翌年度、経済学・経済政策と財務・会計を科目免除するか迷った結果、2科目とも免除しました。
理由は、5科目受験でもある程度リスク分散が見込めることもありますが、元々、学ぶことが目的だったので、合格点に届かなかった科目に勉強時間を割きたいと思ったからでした。
科目 | 点数 |
経済学・経済政策 | 免除 |
財務・会計 | 免除 |
企業経営理論 | 74 |
運営管理 | 49 |
経営法務 | 60 |
経営情報システム | 60 |
中小企業経営・中小企業政策 | 68 |
合計点 (1科目あたり平均点) |
311 (62.2) |
なんとか合格できたという点数ですね。
苦手科目に時間を割きたいなんて言った割にはぎりぎりです。
2年目は600時間勉強したので2年間合計で1,400時間かけて、この結果でした。
2次試験の合格までに必要な学習時間の目安が約1,000~1,100時間と言われており、実際に合格された方の学習時間を聞くと、やはりそのくらいの時間に収まっている方が大半で、もっと少ない方もいます。
ところがどっこい、私の場合は1次試験合格までで既にオーバーしているのです。
いざ文章にして見ると、1次試験に合格できたと喜んでいられる状況でもなさそうですが気付いていませんでした。図太いってすごいですね。
その後、2次筆記試験には合格できず、平成30年度、令和元年度も1次試験を受験しました。(後述する保険受験と呼ばれるものです)
1次試験を受験することは決まっていましたが、2次試験の勉強もあるので1次試験にはあまり時間を取らず、ごくたまにTACから出版されているポケットブックに目を通し、あとは直前の1~2週間で若干勉強する程度でした。
3年目と4年目の1次試験対策の勉強時間と主な内容は以下の通りです。
全体:上述のポケットブックを読む。
経済学・経済政策:過去問2年分とテキストの復習。(ブランクがあったため少しだけ多めに時間を取りました)
経営法務:法改正の確認(参考書のサポートページを参照)。
中小企業経営・中小企業政策:白書の概要を読んだ後に本編に軽く目を通す。
全体:上述のポケットブックを読む。
経営法務:法改正の確認(参考書のサポートページを参照)。
中小企業経営・中小企業政策:白書の概要を読んだ後に本編に軽く目を通す。
その結果どうなったかはこの後、ご紹介します。
科目 | 点数 | |||
平成 28年度 |
平成 29年度 |
平成 30年度 |
令和 元年度 |
|
経済学・経済政策 | 60 | 免除 | 72 | 44 |
財務・会計 | 76 | 免除 | 76 | 60 |
企業経営理論 | 50 | 74 | 57 | 54 |
運営管理 | 52 | 49 | 69 | 76 |
経営法務 | 55 | 60 | 64 | 72 |
経営情報システム | 56 | 60 | 84 | 84 |
中小企業経営 ・中小企業政策 |
55 | 68 | 51 | 42 |
合計点 (1科目あたり平均点) |
404 (57.7) |
311 (62.2) |
473 (67.6) |
432 (61.7) |
平成30年度は、ほぼ勉強しなかったにも関わらず平均点が5点以上伸びています。
また、令和元年度は、さらに勉強時間が少ない上に、丸2年間1次対策をほとんどしていない状況にも関わらず平均点は平成29年度とほぼ同じくらいでした。
一方、科目単位で見ると、平成30年度は2科目、令和元年度は3科目、60点に届いておりません。
また、重要な科目なので大きな声で言えないのですが、企業経営理論と中小企業経営・中小企業政策は2年とも60点に届いていません。これらを1科目、2科目の貯金でカバーするとなると、相当大変だと思います。
つまり、もしも平成30年度、令和元年度の2年間で科目合格を狙っていたら、科目の選択方法によっては令和元年度の受験資格がなかった可能性があります。
「ほとんど勉強しないで合格できた」と自慢したいわけではなく(そもそも自慢できる点数ではないですが)、科目受験は難易度の差による影響を受けやすく、7科目受験の方が合格しやすいと伝われば幸いです。
また、ミスやトラブルなども科目数が多いとカバーできるチャンスも増えると思います。
平成29年度の受験では、不得意科目の勉強を優先するために科目免除を利用しましたが、早期合格を優先するのであれば、経済学・経済政策は免除し、財務・会計は免除しなかったと思います。
得意・不得意など状況が人によって違いますので参考になりにくいかもしれませんが、理由は以下の通りです。
※2次試験に強く関連する科目:財務・会計、企業経営理論、運営管理
(この3科目は1次試験の学習時から、2次試験に関連することを意識して学習できると良いかなと思います)
科目免除を利用しなかったことが裏目に出てしまうこともあるので、本当に難しい判断だと思います。
3年前は私も非常に悩んでいたので、多少なりとも参考になればと思い、書かせて頂きました。
自分の得意・不得意、難化した場合でもどの程度の点数が取れそうかなどを踏まえてベストな選択ができることを願っています。
1次試験に合格すると、合格年度と翌年度の2次試験受験資格を得ることができます。
つまり、1次試験の合格年度に2次試験に合格できなかった場合、翌年度は1次試験を受験せずに2次試験を受けることができます。
この2次試験の受験資格を有する年度に1次試験を受験することが、保険受験と呼ばれています。また、保険受験における1次試験の合否を問わず、その年度は2次試験を受験することができます(既に有している2次試験の受験資格には影響を与えない)。
考えられる保険受験のメリットとデメリットをまとめてみました。
私が毎年1次試験を受けていた理由はメリットの1つ目「2次試験の受験資格を維持するため」でした。
同じように受験資格を維持するために保険受験をしている方にもお会いしたことがあります。その方は「2次試験の受験資格を失ったタイミングで受験を諦めてしまう方が多いので、それを防ぐために受験している」と仰っていました。
おそらく、そのような方も少なくないと思います。しかし、私が保険受験を続けていた心境は少し違いました。
平成29年度の2次試験当日のことです。
事例Ⅰの手応えが芳しくなく、事例Ⅱも同様の手応えでした。
事例ⅢとⅣで点数を伸ばすことが見込めなかった私は、事例Ⅱの試験中に「やっぱり1回じゃ無理だよな。来年、再挑戦かなぁ」と思ったところまでは良かったものの、その後「これがもしも来年の受験資格がない状況だったらどうなるんだろう。2年かけてようやく合格できた1次試験にもう一度合格できるんだろうか。次に2次試験を受験できるのはいつになるんだろうか」なんて本当に余計なことを考えてしまったんですね。
物凄く青ざめて「『もしも』じゃなかったら平常心を保つ自信がない」と思い、合格できなかった場合は来年も1次試験を受けようと決めたのでした。そして案の定、翌年度も受験することになりました……。
手応えが良くないときに「やっぱり来年かなぁ」なんて思うのはおそらく少数派で「なんとしても今年合格したい」と思う方が多数派かと思います。また「翌年度の受験資格がない」と思うことで自分を奮い立たせる方もいらっしゃるかと思います。
そのため、ピンと来ない方が多いかもしれませんが「来年がある」と思えるのは私には平常心を保つ効果がありました。
(そんな心配がいらないくらい高得点を目指せと言われたらその通りだと思いますが)
余談ですが、手応えが良くないときに平常心を保つ手段は大切で、お節介ながら何かしらご自身に合う方法を探しておかれると良いのではないかなと思います。
長い記事を最後までお読み頂き、ありがとうございます。
明日は、とうへいの登場です。