1次試験の学習計画を立てよう!

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こんにちは! 勉強は自分に合ったやり方で!多年度合格ナビゲーターのまっつです。
(自己紹介はこちら

去年の今頃何をしていたか思い出してみると……。

新規一転、今度こそ合格してやる!! と意気込み学習方針をガラリと変え、それに基づき学習計画を立てていました。

そして、こんな計画で本当に大丈夫かな? と疑心暗鬼のまま勉強をしていました。

今、同じような気持ちで迷っている受験生の方も決して少なくないはずです。

 

そんな方のお力に少しでもなりたく、今回は学習計画の中でも1次試験の過去問を利用したアウトプット学習に特化して、お伝えしようと思います。

 

 

自己紹介でもお話しさせて頂きましたが、私は2回目の2次試験で不合格だったため、1次試験の7科目が復活しました。(泣) 本当に憂鬱ですよねー。

 

私も1次試験の計画を立てるまでは現実と向き合えませんでした。けど、実際に計画してみると「あれ? そんな大変じゃなさそうだな?」と感じました。

ですので、そんな私の実例を使って説明すれば、みなさんにも「あ、こんな感じで受かるんだ」という気持ちになって頂けるのではないか? と思っています。

 

また、1次試験の保険受験を迷っている多年度生の方や、ストレート生の方にとっても1次試験の勉強はどこまでやればよいのか? の尺度になるかもしれません。

ぜひともご覧ください!

 


【私の属性を抜粋】

1次得意科目:財務・会計、経営情報システム
1次苦手科目:経営法務

強み:現場対応力、折れない心
弱み:文章を書くこと暗記苦手、心配性

 

この試験に向いていないんじゃないかという特徴をサラッと紹介しました(笑)

 


【初学時(平成29年)の1次試験について】

初学時(平成29年)の私は予備校で1次試験の授業を受講していました。

大体、4月あたりに一通りのインプット学習を終わらせ、5月あたりから怒涛のアウトプット学習に入っていくパターンですね。

 

当時の私の作戦は、全科目を全力で勉強し、全体で420点を確保(経営情報システムは別資格で免除したため60点確定)すること。

そして、予備校のカリキュラムや成績をペースメーカーにしよう。という感じでした。

 

アウトプットの勉強方法としては、全科目の過去問5年分をとにかく〇回転やるぞ! 多ければ多いほどいいんだ! というものでした。

意気込みはよいですねー。

 

下表は私の初学時(平成29年)試験直前の過去問正答率別理解度・目標点数・結果です。

過去問正答率とは、各予備校が1次試験の自己採点結果を収集して算出したものです。

理解度→◎:ほぼ完璧 〇:6割 △:3割 ×:ほぼ0 -:勉強せず

科目 正答率別の理解度(6月から以下の状態をKeep) 目標 結果
60%以上 40~59% 20~39% 20%未満
経済学・経済政策 70点 52点
財務・会計 80点 96点
企業経営理論 60点 56点
運営管理 60点 60点
経営法務 40点 44点
経営情報システム 60点 60点
中小企業政策※ 60点 56点
合計 430点 424点

※中小企業経営は過去問での勉強はしていません。

 

まず、試験直前の過去問正答率別の理解度です。

正直なところ、過去問の回転数を重視していたため、答えを憶えてしまいました。(1次試験あるあるです)

なので、理解しているか? と聞かれると、自信をもって「Yes」と答えられるのは正答率60%以上の問題だけという有様でした。(財務・会計除く)

なお、ここで言う理解とは、

  • 正しい選択肢の場合、書かれている内容を完璧に理解しているか?
  • 誤っている選択肢の場合、どこが間違っているか、正しい内容は何か?

ができているか、ということです。

 

次は、この状態で受けた試験の結果です。経済学で事故を起こし大きく失点し、財務・会計の勘で答えた2問が正解していてギリギリで合格できました。(汗)

このミラクルが起こらなければ不合格です。しかも、そうなったら科目合格が財務・会計と運営管理だけ?!

 

また、試験全体の感想としても、財務・会計を除くと、自信を持って解答した問題なんて4割くらいで、正直よく合格できたなという感じです。

 

ポジティブに考えれば1次試験とはこの程度の知識量があれば、運が良ければ合格できると言えます。

ただし、得意科目で突然の難化があった場合には、合格が一気に難しくなるレベルです。

もし、この年の財務・会計が難しかったらアウトでしたからね……。

 

ですので、上表程度の知識量では足りないというのが結論でしょう。

 

さらに、このやり方で一番ダメだったのは、6月から8月まで知識をキープすることだけに使ったことだと思います。

キープしようと思ったわけではなく、結果的にそうなってしまったのですが……。

 


【2回目(令和元年)の1次試験】

前述のいきさつもあり、初学時(平成29年次)と同じ方針ではダメだなと思いました。
ですので、前回の結果や勉強時間を踏まえて方針をガラリと変えました

 

下表は初学時(平成29年)から2回目(令和元年)で変更した方針のまとめです。

理解度→◎:ほぼ完璧 〇:6割 △:3割 ×:ほぼ0 -:勉強しない

科目 方針 目標 インプット 正答率別の理解度
60%以上 40~59% 20~39% 20%未満
経済学・経済政策 変更前 70点 あり
変更後 60点 なし
財務・会計 変更前 80点 あり
変更後 60点 なし
企業経営理論 変更前 60点 あり
変更後 60点 なし
運営管理 変更前 60点 あり
変更後 60点 なし
経営法務 変更前 40点 あり
変更後 60点 なし
経営情報システム 変更前 なし
変更後 60点 なし
中小企業経営 変更前 60点 あり
変更後 60点 なし

変更点その1「全科目60点の目標点

目的は、「苦手科目を作らないこと」「得意科目の勉強時間を極限まで削減すること」です。

これによって、苦手科目の難化による足切りリスクの低減得意教科のムダな勉強時間の抑制につながります。

さらに、知識量のピークを試験日に持ってくるような計画を考えることで、よりムダを削減できるはずです。(まぁ、初めて受ける試験でこの作戦は中々取れないですけどね……)

そして、「全てを満遍なく知り俯瞰する能力を身につける」……これこそが正しい診断士のあるべき姿だ! という大義名分を得てモチベーションアップを図ろうと考えました。

 

変更点その2「インプットはいらない

問題がわからないときだけテキストを見る程度ですね。

ただ、法務などの法改正対策として、1次試験の模試を受ける予定でした。

もし、法改正があれば、出題される可能性が高く、解説に詳細が書いてあるはずですので。
※実際に模試は受けましたし、やはり改正論点はガッツリ出題されました。

 

変更点その3「試験直前のあるべき姿は、正答率40%以上の問題をほぼ理解していること

単純に、初学時(平成29年)の知識量では、幅も深さも足りないと考えました。

ただし、「正答率40%未満の問題」を必死に学習するのは非効率ですので、これらの問題は頻出論点であれば拾っていく程度の位置付けでした。

 

変更点その4「経営情報システムの受験

これまで、システム系の勉強は散々してきました。

そして、「様々な知識を得たい」と思って勉強しているのですから、今さらこの知識を学習したところで時間のムダと感じて、初学時(平成29年)は受験しませんでした。

しかし! 3年目ともなるとそんなことを言っている場合じゃないんです! 強みを活用しないでどうするの? と考えて、得点源として受験することにしました。

ただし、あくまで目標は60点とし、上ブレのみが発生する安定科目として自分のカードに加えました。

念のため、1次試験に申し込む前に、難しいと言われていた平成27年、28年の過去問を解いてみて、感触だけは確かめました。結果、勉強は不要と判断しました。

 

下表は2回目(令和元年)の勉強量、結果です。

科目 勉強量 目標 結果
経済学・経済政策 過去問直近7年分×3周 60点 72点
財務・会計 過去問直近7年分×1周 60点 72点
企業経営理論 過去問直近7年分×3周 60点 68点
運営管理 過去問直近7年分×3周 60点 66点
経営法務 過去問直近6年分×3周 60点 64点
経営情報システム 直前期に苦手な論点を詰め込む 60点 88点
中小企業経営・政策 政策:過去問直近5年分×3周 経営:問題集 60点 62点
合計 420点 492点

初学時(平成29年)とは違い、5割は自信を持って解答できました。そして、何より1問1問、何を聞かれているのか理解でき、しっかり解答できました。

 

よって、このレベルの知識量まで到達すれば、それなりの確率で合格できるのではないかと思います。

サンプリング1人でホントかよ? と思う方もいらっしゃるはずです。

ですが、1次試験は知識の問題ですから、体調面・精神面が万全であれば、個人差はほとんどでないと私は考えます。

 

2回目(令和元年)の1次試験における総括です。

420点を大きく超えてしまったので、もっと2次試験の勉強にあてるべきだったという評価になるでしょうか?

しかし、得点を稼いだのがそれほど時間を使っていない経営情報システムや財務・会計だったので、わりと効率のよい学習だったと言えますね。

 

そして、、、超絶苦手な経営法務がまともに解けたのが嬉しかったです!

 


【1次試験の難易度について】

下表は直近7年(令和元年度含む)の、1次試験における合格率の推移です。

科目 合格率(「科目合格者数」÷「試験合格者数」
平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 令和元年
経済学・経済政策 2.1% 19.4% 15.5% 29.6% 23.4% 26.4% 25.8%
財務・会計 16.6% 6.1% 36.9% 21.6% 25.7% 7.3% 16.3%
企業経営理論 6.8% 13.4% 16.7% 29.6% 9.0% 7.1% 10.8%
運営管理 10.5% 17.8% 20.5% 11.8% 3.1% 25.8% 22.8%
経営法務 21.1% 10.4% 11.4% 6.3% 8.4% 5.1% 10.1%
経営情報システム 51.8% 15.0% 6.4% 8.5% 26.6% 22.9% 26.6%
中小経営・政策 16.9% 31.1% 12.2% 12.5% 10.9% 23.0% 5.6%

一般社団法人中小企業診断協会の公表資料を加工しています
「科目合格者数」に「試験合格者数」は含みません

 

令和元年を振り返ると、個人的には中小企業経営・政策のみが難しく、この科目は感触よりかなり高い得点になりました。(感触では4割ちょっとという感触でした。)

ですから、合格率5%程度になると、今回の私程度の知識量では運の要素がないと60点は超えられない、といったところでしょうか。

しかし、5%前後の難易度の科目は、同一年に存在しても2つ程度だと表からは読み取れますので、ここまでやれば、それほど不安になる必要はないと言ってよいでしょう。

 

……平成30年は高難易度の科目が3つあり少し危険ですが、その他の科目が簡単なので、足切りさえなければ問題ないと言えます。

 

では、これだけの知識を得るのに一体どれだけの時間がかかるのかが気になります。

 


【勉強時間について】

下表は私が作成した2回目(令和元年)の勉強時間(計画値)

科目 勉強時間の算出 必要時間
経済学・経済政策 7年分 × 3回転 ×    1時間 × 2倍 42時間
財務・会計 7年分 × 1回転 ×    1時間 × 2倍 14時間
企業経営理論 7年分 × 3回転 × 1.5時間 × 2倍 63時間
運営管理 7年分 × 3回転 × 1.5時間 × 2倍 63時間
経営法務 6年分 × 3回転 ×    1時間 × 3倍 54時間
経営情報システム なんとなく 10時間
中小企業経営・政策 5年分 × 3回転 ×      40分 × 2倍  + 20時間 40時間
合計 286時間

年分:過去問取り組み年数→平成29年と令和元年に購入したものを併せて7年分
回 :回転数      →1年分の過去問に取り組む回数
時間:実際の試験時間  →2回転目、3回転目になるとこれほどかかりません
倍 :時間計算の重み  →理解に要する時間(ここに個人差が発生!

 

全科目で286時間の計画となりました。

……微妙な時間ですね。この時間だと、まとめて学習すると全部で3ヶ月程度はかかっちゃいます。

私は、2次試験の勉強を3カ月間も断つことが嫌でした。なので、まとめて学習時間を取るのは、直前期の7月だけとし、100時間程度はそこで捻出しようと考えました。

 

あとは、残りの186時間をどうするかですが、これは通勤時間を活用するだけで何とかなりそうでした。

私が学習を開始した2月1日から6月30日までが150日間(内営業日は125日位?)ありました。

そして、私の通勤時間が往復1.5時間程度です。125 × 1.5 = 187.5時間となりますので、ぎりぎり可能と考えました。

もし、通勤時間で終わらなければ、7月の勉強量を増やせばよいだけだし、大丈夫でしょ!という感じでスケジュールにねじ込みました。

……結局最後は根性論! ですね。

 

ですが、実際には200時間を少し超える程度で学習は終わりました。

ただ、これは初学時(平成29年)の経験があってのことなので、誰にでも当てはまるとは言えないと思います。

ですから、勉強の進捗は週1程度で確認し、必要があれば計画を修正することが大事です。いや、超大事です。

 

これらのことを踏まえて、みなさんも学習計画を立ててください!

 


【結論】

①勉強時間に関わらず「7年分の過去問で正答率40%以上の問題をほぼ理解した状態で1次試験を迎える」ことができれば、合格点は取れる。(受験時の平常心は必要)

 

②「5年分の過去問の解答を憶えているけど、理解できているのは正答率60%以上の問題だけという状態で1次試験を迎える」と合格には難化傾向など運の要素が必要

1次試験合格経験者は久々の学習でも最初からこのレベルに近いです。ただ、経済学は得意な人でないと厳しいかもしれませんね。まぁ一度学習してますから、回復は早いはずです。

 

③1次試験の合格経験者なら1年半のブランクがあっても200時間程度の時間で、「7年分の過去問で正答率40%以上の問題をほぼ理解した状態で1次試験を迎える」ことができる。

(個人差があるので必ずPDCAを回すべき)

 


今回は以上になります。今後は、1次試験や2次試験の学習方法についてお伝えしたいと考えています。


最後まで読んで頂きありがとうございました!

 

 

明日は、頑張るあなたと伴走します!ストレート合格ナビゲーターのテリーが、名古屋から有益な情報を発信してくれます。みなさん、お楽しみに♪

 

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