事例Ⅳ 解体新書

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ブログをご覧の皆様、こんにちは。

「配られたカードで勝負するっきゃないのさ」ストレート合格ナビゲーターちーたーです。

 

1次試験も近いですね。1次試験が近いということは、当然、2次試験も近づいているわけです。
1次試験後から2次試験の勉強を開始する方も相当数いらっしゃることでしょう。
つまり、1次試験が近い=2次試験の勉強開始も近い、ということなのです。
1次試験で手応えがあったとしても、2次試験の勉強の方向性が定まっていないと、その間にライバルに差をつけられてしまいます。スタートダッシュが大事です。気を緩めずに頑張っていきましょう。
あ、そういえば、スタートダッシュにうってつけのふぞろいセミn(以下略

 

・・・というわけで、1次試験直前でも事例Ⅳのお話しです。

 

なんとかの1つ覚えってやつです。タイトルで大きく振りかぶって中身で空振りするのもいつものことです。気にしちゃいけません。
前回は事例Ⅳの用語について取り上げましたが、用語を理解したからといって文章が理解できるかというと、それはまた別問題ですよね。

というわけで、今回のテーマは「事例Ⅳの文章を解体する」としたいと思います。

 

 

今回も、過去問から抜粋してお届けする形にしたいと思います。
今回取り上げるのは、平成26年度の第2問です。投資判断の問題です。表は省略します。

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第2問(配点 30 点)
D 社のある店舗の平成 26 年度における予想損益計算書は以下のとおりである。売
上原価は売上高に比例している。設備備品の償却は定額法(取得原価 1,000 万円、残
存価額ゼロ、耐用年数5年)で行われており、平成 27 年度期末で償却が終了し、改装
のため取り替える予定である。しかし、この店舗の最寄駅では、平成 27 年 4 月 1 日
の完成に向けて再開発が進んでおり、これに合わせて改装を早める提案がある。

改装する場合、再開発イメージに合わせた改装やインターネット環境などの充実の
ため、1,500 万円の設備投資額が見込まれている。設備投資は期間5年の定額法(残
存価額ゼロ)で償却される予定である。改装した場合は、販売費・一般管理費のうち
その他経費が、平成 26 年度よりも 10 %増加すると見込まれている。
平成 26 年度期末に改装した場合、駅前の再開発との相乗効果により今後5年間の
売上は平成 26 年度よりも 10 %増加すると見込まれている。一方、改装を平成 27 年
度期末に行う場合、相乗効果が得られないため、平成 27 年度の売上は平成 26 年度よ
り5%増加し、平成 28 年度以降の4年間は平成 26 年度より 10 %の増加が見込まれ
ている。
なお、再開発に合わせた改装を行う場合、現在の設備備品は平成 26 年度期末の帳
簿価額で翌年度期首に除却されるものとする。
下記の設問に答えよ。

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はい、長い。はい、わかりづらい。

もはや文字の塊です。これをななめ読みしても、よくわからないと思います。
少なくとも、私はよくわかりません。
しかし、実際に本試験ではこういう問題を解かなければならないわけで、この渋滞した文章をどう交通整理すればいいかな?と頭を悩ませるわけです。

それでは、整理していきましょう。
これは投資判断の問題なのですから、いくつかの投資案に分かれているはずです。
投資をするのか、しないのか。もしくは、投資するとしたらいつからか、という案に分かれているはずなのです。
その目線でよくよく文章を見てみると、結局のところ、この設問文は「A案なら〇〇が△%あがって云々」というように、投資案ごとに付随的な情報を付け加えているに過ぎないことが分かります。

後は、投資案ごとに情報を整理すればいいだけです。私は生粋のマーカー派なので、投資案ごとに色を使い分けて、情報を整理していました。

 

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第2問(配点 30 点)
D 社のある店舗の平成 26 年度における予想損益計算書は以下のとおりである。
上原価は売上高に比例している。設備備品の償却は定額法(取得原価 1,000 万円、残
存価額ゼロ、耐用年数5年)で行われており、平成 27 年度期末で償却が終了し、改装
のため取り替える予定である。しかし、この店舗の最寄駅では、平成 27 年 4 月 1 日
の完成に向けて再開発が進んでおり、これに合わせて改装を早める提案がある。

改装する場合、再開発イメージに合わせた改装やインターネット環境などの充実の
ため、1,500 万円の設備投資額が見込まれている。設備投資は期間5年の定額法(残
存価額ゼロ)で償却される予定である。改装した場合は、販売費・一般管理費のうち
その他経費が、平成 26 年度よりも 10 %増加すると見込まれている。
平成 26 年度期末に改装した場合、駅前の再開発との相乗効果により今後5年間の
売上は平成 26 年度よりも 10 %増加すると見込まれている。一方、改装を平成 27 年
度期末に行う場合、相乗効果が得られないため、平成 27 年度の売上は平成 26 年度よ
り5%増加し、平成 28 年度以降の4年間は平成 26 年度より 10 %の増加が見込まれ
ている。
なお、再開発に合わせた改装を行う場合現在の設備備品は平成 26 年度期末の帳
簿価額で翌年度期首に除却されるものとする。
下記の設問に答えよ。

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ざっくりと、こんな感じですかね。
緑が投資案に共通で必要な情報投資案①が黄色投資案②が紫って感じです。(実際には、色は特に決めてなくて、情報の区別がつけばいいので、その時の気分で色は変えてました。)

この問題のわかりにくいところは、改装する事自体は決まっていて、投資の時期を判断する問題であるところ。投資案①が平成26年度期末に改装する場合投資案②が平成27年期末に改装を行う場合です。また、後半の「再開発に合わせた改装を行う場合」という言葉が曲者で、「再開発はいつか?」ということを慎重に読み取って判断しないといけません。再開発の完成は平成27年4月1日とありますから、3月決算法人であるならば、平成26年度期末とほぼ同時であることになります。よって、これは投資案①に係る情報なのです。また、翌年度期首に除却、とあるので、除却損による節税効果が発生するのは平成27年度期末です。期末と期首、1日違うだけで大違いです。要注意ですね。

それでは、いよいよ解体していきましょう。私は、マーカーで整理した情報を白紙に書き写したりしていました。一見、無駄なようにも思えますが、私は書くことで頭を整理するタイプなので、投資案ごとに情報を1つ1つ丁寧に腑分けし、都度、文章の読み取りが誤っていないか確認し、その行為を通して落ち着きを取り戻していました。白紙には、下記の要領で書いていました。

 

共通の情報

・売上原価は売上高に比例

・旧設備 定額法 取1,000万 残0 耐5 H27期末で償却終了

・新設備 定額法 取1,500万 残0 耐5

・改装すると、その他経費がH26より10%増

平成26年度期末に改装する場合

・今後5年の売上がH26より10%増

・旧設備はH27期首に除却

平成27年度期末に改装する場合

・H27の売上はH26より5%増

・H28以降の売上はH26より10%増

 

どうでしょうか、だいぶスッキリしたのではないでしょうか。
ここまで来れば、後は計算するだけ!
計算手順さえ理解できていれば、電卓に叩くだけですから、正解が出るはずなんです。

前々々回は凡ミスを駆逐するため、
前々回は電卓ミスを駆逐するため、
前回は用語の解釈ミスを駆逐するため、
そして今回は、文章の読解ミスを駆逐するためのブログを書きました。

逆説的ですが、ミスをしなければ正解が出るはずです。
勿論、人間、ミスは付きものです。
しかし、たとえ完璧にはなれないとしても、ミスを減らしていく努力は必要です。
事例Ⅳでは、その努力は必ず実を結びます。
まずは1次試験に受かって、その後は事例Ⅳをゴリゴリやりましょう。(事例Ⅰ~Ⅲについては、他の人に聞いてください笑)

 

さて次回は、まったりゆっくり独学派★多年度生合格ナビゲーターのかずさ の登場です。
猫のようになんでも柳に風と受け流すかのようにみえるかずさですが、実はなにやらお恥ずかしい話もあるようで・・・?! ご期待下さい!

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