2次試験解答プロセス事例Ⅳ編 その2

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こんにちは、事務局長のオクムーです。

先日、かずさのブログ記事でも紹介がありましたが、いよいよ「ふぞろいな合格答案エピソード11」が発売されます。ここで、発売前の本の表紙をちょっとだけ公開しちゃいたいと思います!

どんっ!

はい、今年の表紙は白ベースです!

例年、8月には1次試験合格者たちがこぞって買い求めるため、品薄になります。
今のうちに購入しておくことを強くオススメします!!

2018年版 ふぞろいな合格答案 エピソード11: 中小企業診断士2次試験

さて、ここからが本題です。


前回は、オクムーの事例Ⅳ解答プロセスを公開しました。
<前回のブログ記事はこちら>

❏事例Ⅰ~Ⅲの解答プロセス

❏事例Ⅳの解答プロセス

今回は、その中で毎年出題実績のある経営分析にフォーカスして解答プロセスを公開したいと思います。
題材は平成29年度事例Ⅳを使います。

《オクムーの経営分析解答プロセス》

STEP1

【問題要求の確認】
解答するのが、優れた指標なのか?課題なのか?それぞれいくつ解答するのかをチェックします。
「小数点第◯位を四捨五入」という点も必ず確認しておきましょう。

STEP2

【与件文を通読】
与件文を通読します。財務諸表に影響が出そうな記述には下線を引いてチェックしておきます。

STEP3

【財務指標を確認】
D社と同業他社の混同に注意!同業他社の指標を解答しないよう注意しましょう。
収益性、効率性、安全性の3つの切り口で分析を行います。

STEP4

【収益性分析】
まずは、売上高の倍率をチェックします。
D社÷同業他社で電卓をたたき、D社の売上高が同業他社の1.427倍あることを確認します。
次に売上総利益で、D社÷同業他社を計算。売上が1.5倍近くあるのに、売上総利益はわずか0.896倍しかないことが分かります。
次に営業利益で同様の計算すると1.07倍、経常利益で同様の計算すると0.854倍になります。
総合すると、最も利益をすり減らしている元凶が、売上原価にあることが分かります。
まず、課題となる指標の第一候補として、売上高総利益率を挙げます。
支払利息負担が大きいことから、第二候補は売上高経常利益率ですね。

収益性は、粗利、営利、経利と段階ごとに計算して、元凶をつきとめる作業となります。
迷った場合は、与件文の記述を参考に決めるとよいでしょう。

Q.なぜ倍率を出すか?
A.一つ一つ指標を計算せずに、時間を短縮するためです。

STEP5

【効率性分析】
効率性の代表的な指標は、棚卸資産回転率と有形固定資産回転率です。
貸借対照表を見て、棚卸資産と有形固定資産の倍率をチェックしましょう。
棚卸資産は0.874倍、有形固定資産は1.339倍。

回転率は売上高/資産で計算するので、どちらもD社が優れていることが分かります。
より数値に差があるのは、棚卸資産回転率。
与件文に設備更新が課題と書かれていることから、優れている指標として有形固定資産回転率は挙げにくいと考え、棚卸資産回転率を第1候補に挙げます。

今回のケースでは、数値に明確に差が出ましたが、回転率の場合も迷った場合は与件文の記述を参考にしましょう。

STEP6

【安全性分析】
流動資産、当座資産、流動負債、固定負債、自己資本の数字を確認します。
今回のケースで言えば、明確に固定負債が多く自己資本が少ないことが読み取れます。
第一候補は、自己資本比率か負債比率でしょう。

数字の差が微妙な場合は、収益性分析と同様に倍率を見ましょう。ぱっと見では自己資本比率や負債比率が課題と思いきや、流動比率や当座比率の方が数値の落差が大きかったなんてケースもよくあります。

STEP7

【記述】
「収益性が高い・低い」、「効率性が高い・低い」、「安全性が高い・低い」という結論は決まっています。
それに対する因果の因を、与件文や財務諸表で読み取れる事実から引用するという作業になります。
近年の事例では、借入金が多くて利息負担が大きいなど、財務諸表から明らかに読み取れる内容については、与件文にわざわざ記述がないケースが多いです。与件文に書かれていなくても、財務諸表から分かる内容については、記述で指摘できるよう準備しておきましょう。

今回のケースでは字数が非常に少なかったことから、引用が困難でした。
しかし、ふぞろいの分析結果では、収益性・効率性・安全性の3点に触れている解答の方が評価が高かったことが分かっています。
なんとか要点を絞りながら3つの点に触れましょう。

~ここまで20分以内~

以上が、オクムーの経営分析解答プロセスとなります。
20分以内で終わらせるためには、ある程度の練習が必要です。
練習の際は、必ず20分以内に終わらせることを意識しましょう。
オクムーは、経営分析に限っては、30分かけて完璧な解答を仕上げるよりも、20分以内にある程度の出来の解答を仕上げる力の方が重要だと考えます。

「経営分析を制するものは事例Ⅳを制する」という格言があるほどに合否を分ける重要なポイントです。
2年目生は、今のうちに練習しまくって、ストレート生に差をつけましょう!

さて、次回の登場は、ストイックな貴方を強力サポート超速合格ナビゲーターゆうちゃんです。お楽しみに!

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