ついついやりがち! 脳のパフォーマンスがダダ下がりするやばい行動習慣

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こんにちは! 若手合格ナビゲーターのだいちです!
2次試験に向けて勉強は進んでいらっしゃいますでしょうか。
勉強するときはなるべく集中できる環境に身をおきたい。そういうふうに考える方もたくさんいらっしゃると思います。
裏を返すと、ついつい気が散ってしまって勉強に集中できなくなることがある、ということだと思いますが、今回はあなたの気を散らせるだけでなく、脳のパフォーマンスを低下させるやばい習慣についてご説明していきたいと思います。

今回の参考文献は『最高の脳で働く方法 Your Brain at Work』です。タイトルのとおり、仕事を主眼にした実用書になりますが、勉強にも活用できる様々な研究例がわかりやすく記載された良書です。是非書籍もチェックしてみてください!

 

メールチェックするとIQが低下する

 

勉強中にあなたがついついやってしまうことで、集中力を阻害することって何だと思いますか? 先に結論から申し上げると「メールチェック」です。

ロンドン大学の研究によると、携帯電話で常にメールやメッセージを送受信していると、知能指数(IQ)が平均10ポイント低下(女性では5ポイント、男性では15ポイント低下)するという。これは睡眠不足が及ぼす影響に近い。男性の場合、その影響度は大麻吸引のほぼ3倍に相当する。

いかがでしょう。大麻吸引はそもそもとしてやばいですが、その3倍の影響があるというのはさらにやばいですよね。
ここでは「メールチェック」という言葉で説明させていただいておりますが、要するに「常時オン」の状態で四六時中繋がっている状態は、脳が常にマルチタスクの状態になるためダメージが大きいということを示す研究になります。

 

マルチタスクを行うと認知能力が8歳児並みに低下する

 

先ほどマルチタスクのお話をさせていただいたので少しご説明しますね。
みなさんがお仕事されている時間をイメージしていただきたいのですが、常にタスクに追われて忙しいときってどうしてもありますよね。このとき、ついつい同時並行でタスクを進めていこうとしがちなのですが、最近の研究ではマルチタスクだと逆に生産性が下がってしまうというのです。

 科学者のハロルド・パシュラーは、人が一度に2つの認知課題に取り組むと、ハーバードのMBA取得者でも認知能力が8歳児並みに低下することを明らかにした。
 これは二重課題干渉と呼ばれる現象である。ある実験の中で、バチェラーは被験者に、ライトがウィンドウの左側と右側のどちらで点灯したかを、キーパッドの2つのキーのいずれかを押して選ぶ課題を与えた。
 一方のグループはこの課題だけを繰り返し、もう一方のグループには、同時にライトの色を3色から見極めて選ばせた。右か左か、3色のいずれか、という単純な変数であるにもかかわらず、2つの課題を課せられるとキーを押すのにかかる時間は倍になり、まったく時間の節約にならなかった。

いかがでしょう。元々人間の脳はマルチタスクで処理することが苦手なため、ひとつひとつのシングルタスクを集中して処理していくことが有効になります。
しかし、先ほど述べたとおり、携帯電話が「常時オン」の状態では、脳がマルチタスクの状態になるため、勉強というシングルタスクに集中できず、注意散漫となってしまいます。
注意が逸れることの弊害はこんなところにも影響します。

別の研究は、現代のオフィスワーカーは平均11分で集中が途切れてしまうことを明らかにした。いったん集中が途切れた後、元の作業に完全に戻るまでには25分もかかるという。

勉強している最中にスマホの通知に気がとられて、メールの中身を見てしまうだけで、元の集中力を取り戻すのに25分もかかってしまうのです。

ここからは個人的な考察になりますが、よく「2次試験に向けて何時間くらい勉強すればよいか」という話があるかと思います。
こればかりは人によりけりですので何ともいえないところもありますが、少なくとも、勉強している時間は最高の集中力を保っているに越したことはありません。

この記事を読んでいらっしゃる皆さんは、是非勉強中の間だけでもよいので、スマホを機内モードにするなど自分にとって気が散るものをなるべくシャットアウトしていただき、集中を途切らすことなく勉強を進めていただけるとよいのではないかと思います。

明日は、皆さんお待ちかねのハイスペック合格ナビゲーターたかしより、神がかった記事をお送りする予定です。お楽しみに!

[参考文献]
■ デイビッド・ロック 著(矢島真理子 訳)『最高の脳で働く方法 Your Brain at Work』
 ・ マルチタスクとIQ低下に関するロンドン大学の研究は、キングス・カレッジ・ロンドンの心理学者グレン・ウィルソン博士によって報告された。この研究はヒューレット・パッカードが出資したもので、論文としては正式に発表されていない。
 ・ ハロルド・バシュラーには、マルチタスク、ボトルネック、キューに関する自身の研究をまとめた論文が数多くある。その一例を次に挙げる。
  - Ferreira, V. S., and H. Pashler. “Central Bottleneck Influences on the Processing Stages of Word Production.” Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognition 28, no.6(2002): 1187-99
  - Pashler, H. “Attention limitations in doing two tasks at the same time.” Current Directions in Psychologinal Science 1(1992): 44-50
  - Pashler, H., J. C. Johnston, and E. Ruthruff. “Attention and performance.” Annual Review of Psychology 52(2001): 629-51

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