緊張を力に変えて本番力を高めるテクニック

同友館
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こんにちは!若手合格ナビゲーターのだいちです!

1次試験の日程がもう間近に迫ってきましたね。今年1次試験を受験される方は、そろそろ勉強も大詰めなのではないかと思います。

ところで皆さん、ここぞというときに力を発揮したいと思われることってありませんか?
例えば、今まで仕事とかで役員相手に報告をしないといけないといった場合に、資料とかを相当作り込んで、話す練習を散々したにもかかわらず、いざ本番になってみると緊張して言おうとしていたこととは全く違うことを話していて、本来の自分のパフォーマンスが発揮できない。こういった経験、皆さんにも当てはまる方がいらっしゃるのではないでしょうか。

実はこれ、ちゃんとした対策があるんです。これからお話しすることを実践することで、少なくとも、何もやらないよりは緊張をやわらげ、かつ本番でのパフォーマンスを高める効果が科学的に示唆されてますので、ぜひ参考にしてみてください。

今回の参考文献は前回に引き続きアダム・グラント著『ORIGINAL 誰もが「人と違うこと」ができる時代』でピックアップされているハーバード・ビジネススクールの准教授アリソン・ウッド・ブルックスの実験を参照しています。よろしければ著書もチェックしてみてください!

「落ち着け」や「リラックスしろ」はあまり効果がない

 

ところで皆さん、緊張しているときに、どういうアドバイスをもらうとパフォーマンスが上がると思いますか? たいてい「深呼吸しろ」とか「リラックスしろ」とか「落ち着け」といったアドバイスをイメージされると思いますが、これはベストではありません。

えっ! さっき緊張をやわらげるって言ったじゃん! と思われた方は続きのブルックスの実験を読み進めてみてください。

 

 ブルックスはある実験で大学生に、「なぜ職場で自分はいい仕事ができるのか」という趣旨でスピーチをしてもらった。
 評価者として研究チームの一人を聴衆に交じって座らせ、すべてのスピーチを録画した。のちに、聴衆の大学生たちに協力を求め、それぞれのスピーカーにおける説得力と自信の程を評価してもらった。スピーチ準備に与えられた時間はわずか二分で、多くの学生は明らかに緊張していた。
(中略)
ブルックスは、スピーチの前に無作為に大学生を振り分け、「私は落ち着いています」、または「私は興奮しています」のうち、いずれかを声に出していってもらった。
「落ち着いている」か「興奮している」かという、それだけの違いで、学生のスピーチの質は大きく変わった。
 自分の感情を「興奮している」とした学生のスピーチは「落ち着いている」とした学生のものよりも説得力が一七パーセント高く、自信は一五パーセント高いと評価された。
 恐怖を「興奮」に置き換えることによって、スピーカーのやる気が高まり、スピーチ時間は平均二九パーセントも長くなった。つまり、二七秒も長くステージに留まる勇気がわいたということだ。

『ORIGINAL 誰もが「人と違うこと」ができる時代』アダム・グラント

強烈な感情は別の感情にすり替える

 

いかがでしたでしょうか。土壇場で緊張しているときに、「落ち着け」と言って感情を抑圧するよりも、「興奮している」と言って別の感情にすり替えてしまうこで、本番でのパフォーマンスが高まることが示唆された研究になります。

また、ブルックスは他の実験で、なんと学生に大勢の前で80年代のロックを歌わせるという面白い実験もしていますので、こちらも合わせてご紹介したいと思います。

 

学生たちは、大勢の前でマイクを手にし、ジャーニーの『ドント・ストップ・ビリーヴィン』を大声で歌った。任天堂「Wii」の音声認識プログラムが音量、ピッチ、音の長さの精度を自動測定し、〇〜一〇〇点の得点をつけるしくみだ。高い得点にはボーナスがある。
 ブルックスは無作為に、歌う前の学生に「私は不安です」、あるいは「私は興奮しています」といってもらった。
 歌う前にどちらもいわなかった被験者のグループでは、平均六九点だった。
 感情を「不安」であると表現させたグループではさらに低く、五三点だった。「不安」と表現しても恐怖心をやわらげる助けにはならず、逆に自分が恐れているという認識が強化されてしまったのだ。
 そして、感情を「興奮」と表現したグループでは、八〇点にまで上昇した。

『ORIGINAL 誰もが「人と違うこと」ができる時代』アダム・グラント

 

1次試験当日に、試験会場で不安や緊張に襲われることがあるかもしれません。そんなときは、今ご紹介したテクニックを使って本番を乗り切るのも一つの手段になりますので是非活用してみてください!

 

ふぞろいな編集後記

 

さて、話題が変わりますが、先日『ふぞろいな合格答案episode13』が発刊となりました。今回の書籍では「第2節」の部分で、ロジカルシンキングについて簡単に触れさせていただいております。

受験生の方から、「キーワードは思いつくんだけど、それをどう組み立てて良いかがわからない」といった声をいただくことがあったため、今回はちょっとしたワークも取り入れさせていただきながら、ロジカルに書くトレーニングも盛り込んでみました。もし興味があれば是非書籍をご購入いただき、ワークにチャレンジいただくとよいのではないかと思います。

明日は、ふぞろい随一のハイスペック合格ナビゲーターたかしの記事です! お楽しみに!

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