なぜか高得点が取れた中小企業診断士試験 事例Ⅱ の試験中に考えたこと(得点開示84点 再現答案付) その1

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こんにちは! 多年度合格ナビゲーターのとうへいです。

今日は、私の令和元年度の事例Ⅱの再現答案を試験中に考えたことをご紹介します。

得点開示結果は、なんと84点でした。


実は私、事例Ⅱが4事例の中で最も苦手で、試験中は合格点である60点を確保するために必死でした。

そんな私が今日から複数回にわたってお伝えしたいのは「事例Ⅱが苦手な人に意識してほしい、小規模であるB社が活かすべき機会と強み」です。

上の画像は、私の事例Ⅱの第1問の再現答案です。

得点開示請求をしたところ84点と、模試はもちろん予備校の演習でも1度も獲得したことがないような高得点で、本当に驚きました。
84点は正直マグレですが、60点を確保するために必死で読んで・考えて・書いた80分間のプロセスと、それを経てできあがった答案はマグレではないと思っています(運よく、約25点も上振れしてくれたと考えています)。

今回の記事をぜひ去年の私のように事例Ⅱが苦手な人に読んでいただき、ご自身の解答プロセス確立の一助にしてもらえたら幸いです。

余談ですが、再現答案は絶対に当日に作成することをオススメします。
私は2次試験を受験した3回とも当日に作成しています。
再現度はかなり高いと思います。

理由は、添付画像のようにWordで400字詰めの原稿用紙の設定にして、改行位置などをヒントに当日に思い出すことができていたからだと思います。
当日になにもせずに次の日に思い出そうとしても、なかなか思い出せないケースはあると思います。

再現答案は、合格しても残念ながら不合格だったとしても、いずれにしてもかなり役に立ちますので、必ず当日に作ることをお勧めします。


なぜ、私は事例Ⅱが苦手だったのか


私は4事例で一番事例Ⅱが苦手でした。
苦手意識を払拭できないまま試験当日を迎えました。
合格後、縁があってふぞろいプロジェクトに参画することになった時も、学習が不十分だった事例Ⅱを少しでも深く考察したい、という気持ちから事例Ⅱの分析に志願したくらいです。(まさか事例Ⅱが高得点とは…)

私は、事例Ⅱが苦手な理由は、次のように考えています。

(1)読むスピードが遅いため、他の事例と比べて相対的に与件文の文字量が多い事例Ⅱでは読む時間が長くなり、思考にかけられる時間が少なくなってしまうから。

(2)前項により解答根拠(与件のキーワード)探しや解答構成検討に十分な時間がかけられず、適当に目についた作問者が要求していないキーワードを使った解答を書く癖がついてしまっていたから。

(3)経営資源が限られている中小企業の立場で考えられていなかったため。(作問者の要求に応じた施策をイメージできないことが多かった。)


環境分析が事例Ⅱ攻略の鍵。事例企業が活かすべきは機会とB社固有の強み


(1)の改善は短期間では難しいかもしれませんが、(2)と(3)はちょっとコツをつかめば飛躍的に改善する可能性があると思います。

私がオススメしたいのは、B社が経営資源の限られた中小企業であることを念頭に置いた上で、次の2点を意識することです。

・環境分析の結果を踏まえて、機会や強みを具体的に記載する。
もし第1問が環境分析の問題だった場合は、第1問に記載した内容と以降の設問の解答内容を重複させる

・施策や戦略の助言問題では、機会に対して競合が模倣困難なB社固有の強みの活用を考える

ふぞろいプロジェクトを通じて数多くの答案の分析に携わった経験からも、合格答案やA答案には上記の傾向が見受けられました。
解答の方向性を考える場合には、いきなり施策を考えるのでなく、まず環境分析を行い、それを踏まえて検討を行う方法が有効だと思います。

※平成29年度から令和元年度までの3年間は、第1問は環境分析問題でした。
ご自身が解いた過去問の答案や過去のふぞろいな合格答案に掲載された答案が上記にあてはまるかを確認するとよい勉強になるのではないでしょうか。

例えば、先日まっつが掲載した70点の再現答案もよい勉強になるのではと思います。(まっつの記事は毎回、すごく丁寧で本当に勉強になると思います。私も勉強させてもらっています)

<参考>平成29年度から令和元年度までの事例Ⅱ第1問の設問文の抜粋
H29

B社について、現在の(a)自社の強みと(b)競合の状況をそれぞれ60字以内で説明せよ

H30

 「B社の現状について、3C分析の観点から150字以内で述べよ」


R1

 「2019年10月末時点のB社の状況について、SWOT分析をせよ」

 

令和元年度事例Ⅱ第1問(SWOT)の再現答案と80分間で考えたこと

<再現答案> 

S:多数固定客獲得できる技術力とデザイン力と接客力、商店街他店と良好関係、店舗雰囲気。

W:商店街中心部から離れた立地、古くて細長く狭い店舗スペース。

O:主要顧客層の30~50代の人口が多いX市で有数の高級住宅街にある。ネイル市場規模増大。

T:商店街に多数ある大手チェーンや自宅サロン。近々近所モールに出店の低価格大手チェーン。

解答した時間帯:試験開始から42分~51分まで(9分間)

<第1問>とうへいは80分間でこう考えた 

定番の環境分析の問題だ。
やるべきことは去年の3C分析と同じで、B社の強み・経営資源が与件文にたくさん書いてあるだろうけど、優先して抽出すべきは、顧客等から評価されている強みとか、わざわざ「できる」と書いてあるB社以外が模倣困難な強みであるはず。第2問以降で適切なターゲット設定をした上で、この資源を活用していくことが事例Ⅱ攻略のポイントになるはずだ。

「それぞれ40字で説明せよ」と文字数が少ない。過去のふぞろいな合格答案等を見る限り、単語を羅列するだけでも点は入るはずだ。
「説明せよ」であり「挙げよ」ではないので厳密には指示に従っていない感じがするが、文字数を節約して数多くの要素を盛り込んだほうが低リスクで、かつ加点を得やすいはず、というあらかじめ準備した自分流の方針に従って淡々と処理しよう。
可能であれば、こだわりの接客、〇〇な技術力、のように強みを与件文の言葉を使って丁寧に説明することにも留意したい。

配点が20点、1要素5点で手間がかかる割に配点は少なめでコスパが悪い。逆に第2問は100字で30点とコスパがよさそうなので、第1問の解答記述には時間をかけすぎず満足化基準で処理して次の設問にいかに早くいけるか、が勝負だ。

一方、環境分析は第2問以降を解く上で非常に大事なため、きれいに記述はできなくとも、機会と強みだけはきちんと整理しておきたい。
今回のB社は、従業員が2名。前回の日本旅館と同じように小規模だ。
従業員2名だけが保有する大手など競合他社が模倣困難な強みが絶対あるはずで、それを活かせる機会やターゲット(ターゲットが持つニーズ)もあわせて与件文から探しつつ、それに対応するようにSWOTを整理できるとよいだろう。

T(脅威)の解答に際して、設問文に「2019年10月末時点の」とあるが、最終段落に顧客流出の脅威として書かれていた11月のショッピングモール出店予定の低価格サロンを脅威と捉えるべきなのだろうか。
出店が決まっていてそれを認識しているのだから脅威と捉えるべきだろう、と思いつつ、迷う。
10秒迷った後に「迷っても与件文を探しても試験中には答え出ないから、無理やり詰め込んでできるだけ多くの要素を書いておこう」と決めた。

時間が足りない。与件文の文字量が多いし、事例Ⅰの後に仮眠を取らなかったせいか、頭グルグル回って混乱して整理が進まない。
整理・分析が不十分なまま解答用紙に1文字も書かないまま開始40分が経過し、大ピンチだ(予定手順では35分経過後に書き始めることになっていた)。

書かなかったらノーチャンス、満足化基準で解答を書くしかない。W(弱み)で解答欄がかなり余ったが、これを埋めるのに時間を使うのは余りにコスパが悪いので気にしないようにしないと。

<再現答案作成後の振り返り>

結局、読み取りや分析が不十分な状態で書いたため、後になって考えると違和感がある記述が複数見受けられる。
例えば、O(機会)では、30~50代は現在の主要顧客層ではないだろうし(貸衣装チェーン店の主要顧客層で、今後捉えていきたい層ではあるんだろうけど)、書くと決めてメモしていた「行事が盛ん」も入れられなかった。
S(強み)では、一番活用できそうな強みの「提案力」も書けていない。
環境分析を踏まえて施策の助言問題に対応する、という方針のもと、準備と訓練を重ねていたが、本番では思うように発揮できなかった。



次回予告(さしあたり第2問以降の再現答案だけ掲載。説明は次回に)

長くなってしまったので今日はここまでとさせていただきます。第2問以降については再現答案だけご紹介します。説明は、次回の私の掲載日以降に続きます。(美容院と協業したり、POP掲出したり、ツッコミどころが複数ありますね…)

 

 

さて、明日は、成長目指して奮闘中!ストレート合格ナビゲーターのとっくんです。お楽しみに! 

 

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