ストレート合格のために直前期、何をするべきか?

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ストレート生合格ナビゲーターのとりっちです。

 

10月に入り、いよいよ残り2週間と少しですね。

焦りも高まってくる時期ですが、これまでやってきたプロセスを信じて、腹をくくって残りの期間でやれるだけのことをやりましょう。

たかが2週間、されど2週間。まだまだやれることはあります。

そこで今回は「ストレート合格のために直前期、何をするべきか?」について書きたいと思います。

一言で言えば、直前期にやるべきことは2つ。

 

「木を見て、森も見る」

 

だと私は思っています。

 

「木を見る」とは、自分自身の弱い部分、足りない部分を明確にし、そこに絞って対策をする、ということです。

 

弱い部分、足りない部分と言われても、「あれもこれも弱いし足りない、いったいどこから手をつけていいのか分からない…」とお悩みの方もいらっしゃるかと思います。

 

そんな時は一度、“本来目指すべきゴール”に立ち返って考えてみましょう。

2次筆記試験において本来目指すべきゴールとは、「4事例の総点数で60%以上を取り、かつ1科目でも40%未満 がないこと」です。

「もっと知識をインプットしなければ!」「もっと文章力を鍛えなければ!」などが目先の課題になりやすいですが、あくまでそれらは手段に過ぎませんし、それらを完璧にできたからと言って2次筆記試験を確実にパスできるというわけではありません。

そして、このゴールに辿り着く確実性をより高めるうえでは、

 

①自分の解答とA評価答案を見比べて

②自分の弱み、足りない部分はどこなのか?を見極めて

③それを克服できるような対策を行う

のステップが、最も端的で分かりやすい対策方法だと私は思います。

不安や迷いが生じやすいこの時期だからこそ、この基準に照らし合わせて判断できているか? をひとつの目安にして、自身の弱みをより具体的にし、「木を見る」ことにフォーカスするようにしてみましょう。

 

参考になるか分かりませんが、私の場合の「木を見る」とはどのようなものだったかについても簡単にご紹介しますと…

以前の記事でも書いたように、私は9月から対策を本格化させたスロースターターだったので、9月は一次知識の整理、演習や模試とその復習で終わってしまいました。

10月に入った時点で、自分の弱みを分析した結果、圧倒的に「過去問分析」が足りないと考えました。

そのため、10月からは以下の対策を行いました。

 

①教材は過去問と「ふぞろい」のみに絞る。(事例Ⅳのみ、計算問題集を並行して解く)

②過去問を5年分解き、「ふぞろい」のA評価答案と突き合せて添削し、足りない知識や読解不足、分かりにくい書き方をしてしまっている部分を具体化しインプットする。

 

過去問対策を通して、本試験における与件文の作り方や作問の癖、題意をパターンとしてインプットすることができ、また「ふぞろい」のA評価答案に少しずつ解答を近づけることができました。

手を付けていない教材や演習問題も数多くありましたが、敢えて過去問と「ふぞろい」(と、事例Ⅳの計算問題集)以外は全て捨てることで、徹底して「木を見る」ことに時間を費やしたことは結果として良かったと思います。

 

とりわけストレート生にとっては、多くの情報がある中で自分自身にとって本当に必要なものはどれか?という視点で取捨選択をすることは、残り2週間の中でとても大きな意味を持つと思います。

自分は正しく“木を見て”いるか?」を自問しながら、残りの期間に何をするべきか見極めてくださいね。

 

そして、「森を見る」とは、「木を見る」と対になっているものです。

そもそも「自分自身の弱みは何か?」という、いわば「内部分析」をする上では、「そもそも2次筆記試験ではどのようなことが求められているのか?」という「外部分析」ができているかどうかが前提となります。

これについては各予備校が様々な分析をしていますが、それらを鵜呑みにするだけではなく、A評価答案を読んでみて「どのようなことをどのように書けば合格答案になるのか」「合格率約20%のふるいにかけるために、どのようなひっかけパターンが存在するのか」を自分なりに分析することが大切です。

これが、2次筆記試験を俯瞰して見る…すなわち、「森を見る」ということです。

森の全体像を把握していなければ、どの木が重要なのかも正しく見極めることはできません。

何が自分の弱みなのか分からない、という場合、このような外部分析を正しくできているかどうかにも立ち返ってみると良いかと思います。

 

この「森を見る」の具体的な対策として、もう一つお勧めしたいものがあります。

それは、「ファイナルペーパーを作ること」です。

 

…と書いておきながら、私自身はファイナルペーパーを作りませんでした。

時間的な余裕がなかったというのがその理由なのですが、後から振り返って、作っておけばもう少し精神的な余裕を持って本試験に臨めたのではないかと思っています。

 

なぜファイナルペーパーが精神的な余裕と関係があるかと言うと、ファイナルペーパー作りとは、「試験で求められている事(森)と自分自身の弱み(木)を俯瞰して整理する」ことだからです。

つまり、ファイナルペーパーに載せるべき「試験直前に再度インプットしておきたい、最重要なポイント」とは何か?を自問自答してみると、これまで書いてきた「自分の弱みは何か?」「そもそも2次試験で求められていることは何か?」が理解できているかどうかがその土台となる、ということです。

ファイナルペーパーは完成物そのものだけでなく、それを作るプロセスも有益な対策ではないかと私は思っています。

 

以上、木を見て、森を見る…という書き方には、やや抽象的で分かりにくい面もあるかと思いますが、要は、

自分自身がA答案を書けるようになるためには、何が必要なのか。

その目的だけを見つめて、そこから目を逸らさず、そのことだけを考え続けることが大事だということです。

考え続け、そのためにできると思う事を続けてさえいれば、何が必要かは自ずと分かってくるはずです。

 

それでもやっぱり、そうなれるか自信がない…という方にお勧めしたいのは、「人のファイナルペーパーを見せてもらう」ことです。

 

ファイナルペーパーはあくまで「本人による、本人のための、本人の」ものであるので、他人のファイナルペーパーを当てにしてはいけないとはよく言われますが、その前提に立った上で、人のファイナルペーパーを見せてもらうことで、様々な気付きが得られると思います。

そこには、作成者の考えた「2次試験のエッセンスとは何か?」「どんな知識が抜け落ちやすいのか?」「どんなことでミスをしやすいのか?」が凝縮されているからです。

 

私自身も、ファイナルペーパーを作る余裕はありませんでしたが、合格者のファイナルペーパーを参考に、事例別に必要な取り組み方を発見するなど、多くの得られるものがありました。

(もちろんここでも、自分に必要と思えるものを取捨選択する視点が大事ですよ)

 

素直な視点でものごとを吸収できるストレート生だからこそ、人のファイナルペーパーを通して「森を見ているつもりで見えていなかったこと」を学べるのではないでしょうか。

 

「ふぞろい8」では、読者アンケートに回答すると、26年度合格者のファイナルペーパーをダウンロードできる特典がありますので、よろしければ参考にしてみてくださいね。

 

残り2週間でやるべきことを見定め、迷いなくそこに集中できるよう、一度立ち止まってじっくり「木」と「森」を意識してみることも大事ではないかと思います。

 

長くなりましたが、残り2週間でやるべきことを定めた後は、自信がなくても、少しずつでも、合格に向かって進んでいるはずだと信じて、やれることをやりきってくださいね。

 

明日の記事では、多年度生合格ナビゲーターのみほみほから、直前期にどのような対策をしたかについてお伝えします。

対策方法についてお悩みの方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

 

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コメント (2)
  1. サトシ より:

    「A答案を書けること」について質問があります。

    僕は今年の2次試験を受験するわけではありませんが、2次試験の対策を徐々に始めようとしています(立場としては今年の1次試験で3科目合格した来年向けの上級生です)。

    こちらのブログをいくつか拝見していると、「A答案を書けるようにする」というものがありますが、これはいきなり答案分析にある「合」や「A」の答案が書けるようになれということでしょうか?

    僕はショート事例からスモールステップで進めていく勉強法を採用しているのですが、いきなりA答案を書くのはハードルが高いです。
    そのため、僕の中ではあえて最初はC答案を書けるようになり、徐々にB答案、A答案・合格答案が書けるようにしていくというステップを取ろうと考えているのですが、C答案というのは「失敗例」としてやってはいけないものという位置付けなのでしょうか?それとも不完全な答案で、最初はこれくらいが書ければいい(もちろん本番ではこれではダメですが)という位置付けなのでしょうか?

    もちろん「問題によって違う」という回答もあるでしょうが、お答えいただけると幸いです。

    1. ふぞろい より:

      サトシ様
      とりっちです。コメントありがとうございます。
      仰る通り、A答案を読んだからと言って、それだけでいきなりすらすら書けるようにはならないと思います。
      そのために、「自分の解答になくて、A答案にあるもの」を具体化し、それを身に着けるためにはどんな対策が必要か?(知識なのか、解答フレームなのか、など)をご自身で考える必要がありますよね。
      これは本当に人それぞれでして(ちなみに私の場合は、「特に真似したいと思った解答を写経する」と「A答案から“使える言い回し”を抜き出してリスト化し、覚える」が最も自分に合った対策でした)、C答案からA答案に少しずつ解答レベルを上げていく、というアプローチがサトシさんにとって取り組みやすいということであれば、一度そのやり方で進めてみて、ハードルを少しずつでも下げていけるかどうか、を検証されてみるのは良いのではないでしょうか。
      来年の受験を予定されていらっしゃるということで、まだ試行錯誤できる時間は十分におありかと思いますので。
      その上で、老婆心ながら私見としての注意事項を申し上げますと、「C答案を書けること」はあくまでも通過点であり、「失敗例をストックし、それを乗り越える」ためにあるということです。C答案の書き方をマスターしていくことで、「C答案になくて、A答案にあるもの」をより具体的に理解できるようになることがあくまでも最終的なゴールとして設定されるべきかな、と思います。
      当然この点はお分かりの上で対策されているかと思いますが、対策を進めるうちに「本当にこれでいいんだっけ?」「本当にこれで成長してるのかな?」「そもそもなんでこんなことやってるんだっけ?」という思考の迷宮に嵌るケースも多くありますので。
      そういった迷いをなくしていくために、サトシさんが設定されている仮説は「C答案を書くことで、A答案に近づける」であるはずですので、それを検証する視点で、「その対策をやったことでどんな気づきが得られたか?何ができるようになったか?」をなるべく具体的にしていくことをおすすめいたします。
      蛇足でしたが、何がベストな対策か?の解答は必ず、ご自身のなかにあるはずです。
      宝探しをするような気持ちで、ご自身の変化を楽しみながら頑張ってください!

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