こんにちは! 多年度合格ナビゲーターのとうへいです。
今日は、実施日が迫る1次試験で得点をアップさせる私なりのアプローチを紹介します。平均6割の得点を獲得して合格するために、少しでも役立つ要素があれば幸いです。
本題の前に、令和元年度の2次試験の再現答案をご提出くださった皆様に感謝を申し上げます。
目次
昨日6月18日に、ふぞろいな合格答案 (エピソード13 2020年版) が発売されました! 再現答案と筆記試験結果(合否または各事例のA~D評価)の提供にご協力いただき、本当にありがとうございました。無事出版できたのは、ひとえに皆様のお力添えのおかげです!
お送りいただいた再現答案を入念に分析し、中小企業診断士2次試験の受験勉強に役立つ一冊となるよう執筆しました。ぜひ手に取っていただき参考にしていただければ幸いです。
①キーワード採点で自己採点
②お宝フレーズの発掘(反射的に書き出せるフレーズをストックする機会にする)
③80分ドキュメントの登場人物になりきって試験当日のシミュレーション
合格した年は③を重視しました。当日のシミュレ―ションを真剣に繰り返しておいたことがメンタル面で本番力向上に大きく寄与したと思います。このコーナーには、合格者がこだわりをもって実践したこと・教訓とすべきこと、などが凝縮されています。なんとなく「こんな人もいるんだ」と流し読みしていた、不合格だった年の自分に「ちゃんと読んで、試験当日をシミュレーションしろ!」と言ってやりたいです。
(記載してあることを鵜呑みにせず、自分なりの見解を確立する機会の1つにする、という考えが大前提です。もしこうなったら、といろんなパターンを想定してみるとよいと思います)
では本題です。実施日が迫る1次試験で得点をアップさせる、私なりのアプローチを紹介します。次のような方々にご参考になればと考えています。
・模試や過去問で、試験時間が足りなくなることがある人
・模試や過去問で、獲得得点が不安定な人(よく下振れする人)
・試験本番に実力が発揮できるか心配な人(緊張する人、周囲が気になる人)
1次試験のゴールは、平均6割の得点を獲得し、かつ全科目4割以上得点すること。そのために何ができるかについて書きます。少しでも役立つ要素があれば幸いです。(毎度繰返しで恐縮ですが、自分にあうものだけを取り入れる姿勢を持つことをお勧めします)
私は1次試験を2回受験し、いずれも7科目受験で無事合格することができましたが、2回とも絶対に合格できるというほどの自信はありませんでした。
もし、当日のタイムマネメントに失敗したら、不得意な分野からの出題が多かったら、体調不良やアクシデント(試験に集中できない外部要因など)があったら、1科目につき平均10点(7科目で計70点も)は獲得点数が下振れするかもしれない、と考えていました。
不合格リスクがある中で、知識不足以外の原因によるもったいない失点を防ぐために次のような対策を心掛けていました。
1.試験中のタイムマネジメントを徹底
2.からだ・こころのマネジメントを徹底し、試験時間中に頭が冴える状態にする
上記を心掛けた理由は、心身の疲労等により頭が冴えない状態で模試や過去問を解いた時には設問や選択肢の文意の解釈に手間取ることが多く、結果、できるはずの問題を落としたり、時間を浪費してしまったりして1科目で10点以上ももったいない失点することも少なくなかった状況があったからでした。以下、詳細です。
1問あたりに掛けられる時間を意識してスピード感をもって問題を解くようにしました。試験開始後すぐに解答用紙をみて問題数をざっと把握し、例えば60分の試験で問題数が25問であれば、全体把握3分、解答50分(1問あたり2分)、見直し7分、といった時間配分にしていました。試験開始後3分間で問題用紙を全ページめくりながらどんな問題が出ているかをさっと目を通し、問題を解いた後は、残りの時間をマークミスや迷った問題の見直しに費やす、といった感じです。
この時、1問あたりの解答時間が2分を超えないように強く意識していました。時間超過が見込まれる問題は、深く考えずに仮解答(後述)をして次の問題に進んでいました。また、簡単な問題はミスをしないよう気をつけつつ、できるだけ早く解いて見直しに使える時間を積み上げるイメージを持っていました。
企業経営理論と運営管理(90分で40問以上)と財務・会計は、時間との戦いになるケースが多く、タイムマネジメントを特に重要視していました。
科目ごとに解く順番を事前に決めていました。(基本的には、頭から順番にやっていったほうがマークミスしにくいですし自然だと思うのですが)
<企業経営理論>
労基ざっくり → マーケティング → 戦略 → 組織 → 労基じっくり
【理由】
・労基は年によって難易度が違う&知ってるか知らないかの勝負で、文章の読み取りにそこまで時間がかからないから、最初にわかる問題だけ解くイメージで取り組む
・マーケティングは解きやすい問題が多い傾向にあるので、早めに取り組む
・組織論は難しい問題が多い傾向にあるので、最後に取り組む
<運営管理>
店舗運営 → 第一問から順に
【理由】店舗運営が解きやすい問題が多い傾向にあるから
<財務・会計><経済学・経済政策>
後ろから遡って解いていく(第1問は最後にやる)
【理由】過去の本試験を見ると、後半の問題の方が前半より易しめの傾向にある気がしたから。
(難しい問題を前半に並べて、後半の易しめの問題が時間切れで解けなくなる受験生を一定数発生させることで平均点を下げる意図があるのでは、と邪推していたため)
<経営情報システム><経営法務><中小企業経営・中小企業政策>
頭から解いていく(もちろん、難問や時間が掛かりそうな問題は、迷わず仮解答)
a.まず「適切」な選択肢を選ぶのか「不適切」な選択肢を選ぶのかを確認し、設問文の左側に「〇(適切)」「×(不適切)」を書き込む
b.選択肢の記述を読み、正誤判断のポイントになりそうな記述にアンダーラインをして、記述内容が理論的に正しいか判定した結果(〇か×)を書き込み※、さらに選択肢全体としての正誤(〇か×)を、選択肢の左側に書き込む。怪しいけど断定できなければ?を書く
※勉強の段階では、ここで考えたことを書いて復習ツールにしていました。本番では、時間がないので、後で検討するのに意義がある事柄だけを書き込んでいました
c.設問要求の記号と、設問文の左側に書いた記号が一致しない場合は、その選択肢(ア~エ)に斜線を引き、正答の可能性がない選択肢を消す。なお、一致する場合は丸で囲んで解答を確定する。(その場合でも時間を掛け過ぎない範囲で他の選択肢も確認する)
d.前項に解答候補を1つに絞れない場合は、選択肢のうち1つを△で囲み、仮解答とする。特に、明らかな難問の場合は時間を掛けず、なにも考えずにヤマカンで△をマークする。
e.解答用紙(マークシート)には1問ごとに記入せず、一定数(15~20問程度)まとめて解答用紙にマークする。仮解答でもとりあえずマーク。(このほうが行き来するをなくして時間短縮でき、マークミスにも気づきやすいため)
f.すべての問題に手をつけて解答用紙に全問マークした後で、△の問題の中からできそうなものを解いていき、△とした解答の修正要否を確認していく。
【a~fの一例(令和元年度 第1次試験 企業経営理論 第1問に書き込みしています)】
・受験票の裏に両面テープを貼り、机に貼ることで床に落ちるのを防ぐ(あるいは、床に落ちても絶対拾わないと心に決めれば、拾う時間のロスはなくせるのかもしれません)。あまりがっちり貼りすぎると、1日目に剥がせなくなって2日目に困るのでくれぐれもご注意を。
・受験票の要綱をよく読み、違反がないよう注意を払い、試験監督官に声を掛けられないようにする(最悪の場合、失格となる悲劇も)
試験当日は食べ過ぎると眠くなるので注意が必要です。私は1日目の午後の企業経営理論と運営管理の時の体のコンディションを重要視していました。
<用意したもの>
・水とクラフトボス無糖
・アミノ酸ゼリー飲料(経済が終わったら)
・鮭おにぎり(財務が終わったら)
・レーズンパン(財務が終わったら)
・塩おにぎり(おなか減った時の調整用)
・アーモンドチョコ(各休み時間に3粒くらいずつ)
・キシリッシュブラック(各科目が始まるちょっと前)
※朝ごはんはいつも通りコーンフレーク、試験1日目の夜ご飯は最寄り駅近くの大戸屋と決めていました
※甘いものを摂取しすぎると、頭痛くなるらしいので注意が必要です。適度な摂取に努めました
早めに会場入りすることも大事ですが、午後に眠くならないように必要以上に早起きしないよう気をつけました。また、休み時間に眠くなったら昼寝する、と決めておき、実際昼休みに仮眠を取りました。
コーヒーが好きで毎日何杯か飲むのですが、試験中にトイレに行きたくなるのを防止するため、試験2日前から、コーヒーなどカフェインは摂りませんでした。また、試験会場ではトイレに休憩時間の終盤にいくよう調整しました。
試験日に試験に集中できるよう、前週の同じ時間帯に試験会場までの移動リハーサルをして、道順などを確認しました。やってみた結果、駅から試験会場まで20分歩く間に噴き出す汗の量が半端ないことに気がつき、試験当日は最寄駅よりちょっと手前の駅からタクシーに乗ることにしました。結果、私は万全の状態で会場に到着できました。一方、受験会場には汗でTシャツがずぶ濡れの方が複数見受けられました。その方々は、試験に集中できたのか、少し気がかりでした(会場では冷房が強めに効いていて、私はパーカーを着るほど寒かったので)。
考えたことを書き出して対策検討をして、アクションを具体化しました。
<アクションの具体例>
・前述の「解く順番」「解き方」は具体化の一例です。
・ほかに、初日の午前中の<経済学・経済政策>や<財務・会計>でミスをした時のイメトレをよくやっていました。
「ミスをしないように気をつける」ことも大事ですが「ミスをした時にどのように立ち回るか」も同じくらい大事だと考え、ミスをした前提で、どう考えるかシミュレーションをしていました(仮にミスをしたとしても、変わらず取り乱さず、1点でも多く取れるよう落ち着いて取り組む、という考えに至り、深呼吸をして5秒天井を見て落ち着く、という流れのシミュレーションを直前1週間で20回くらいはしたと思います笑)。これによって、試験中にわからない問題が立て続いたり、時間不足に陥ったりした時にも、落ち着けるよう準備しました。
必要になるかもしれないアイテムは念のため持っていくようにしました。具体的には、ニオイ対策のマスク、冷房の寒さ対策のカーディガン&パーカー&ストール、座布団、替えのシャツ・インナーシャツ、常備薬(頭痛薬、胃腸薬など)などです。カバンは2つ持っていき、上着など試験中に使う可能性があるものは、すぐに取り出せるようトートバックなどチャックがないバックに入れ(椅子の背にかけていると試験監督官に注意されて時間をロスする可能性がありますのでご注意を)、一方、教材や携帯電話などはカンニングを疑われるのを避けるためチャック付きのカバンに入れていました。
試験時間が余った場合でも、1点でも得点を積み上げられるよう粘っていました。模試や過去問演習でも1科目で1カ所もミスや見落としがないことは少なかったので、時間が余った時には見落としによる失点をなくすチャンスがあると思っていました。特に、最後の中小企業政策は、かなり時間が余りますが「1点をひねり出せ」という気持ちで設問文や選択肢の文章の見落としなどがないかを入念にチェックしていました。
「やっぱりきたか」と思えれば、何も想定していない時よりは落ち着いて試験に取り組めると思っていました。(幸い2回とも極端に難しい・平均点が低い爆弾科目はなかったと思っています)
ということで、私が知識不足以外の原因によるもったいない失点を防ぐために心掛けていた「タイムマネジメント」と「からだ・こころのマネジメント」の一例をご紹介しました。直前期は、知識のインプットで得点を向上させやすいので暗記に没頭しがちですが、知識以外の観点でも得点アップに寄与することがないか、一度ご自身なりに整理されることをお勧めします。
何か1つでもみなさんに役立つ要素があれば幸いです。あうかどうかは人それぞれなので、意義がありそうと思うものだけ、取り入れるかを検討していただければと思います。
明日は、実は4人くらいいるのではないかと噂されるくらい高い仕事処理能力と冷静と情熱を併せ持つ分析統括リーダー、とっくんの登場です。ふぞろいな合格答案 (エピソード13 2020年版)の執筆や再現答案フィードバックのプロジェクトに対する、とっくんの奮闘・貢献は半端なかった! お楽しみに。