中小企業診断士試験の独学受験での合格の秘訣ブログ

ロジカルシンキングを超えて~その2~

同友館
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こんにちは。独りで頑張るあなたの心、整えます。独学サポーターのタニッチです。

一昨日のブログに続いての登場です。

ロジカルシンキングを超えて~その1~

前回の記事では、従来の診断士試験であれば論理的思考を徹底的に駆使すれば合格可能、一方で論理的思考の限界について触れ、これまでの2次試験とは異なる設問に備えて「美意識」を鍛えること、そのために哲学思考を実践することを提案しました。

※補足:前回明確に説明していませんでしたが、「美意識」とは端的にはリーダーシップの問題であり、意思決定に際しての「真・善・美」の判断基準のこととして話をします。

 

本日は、哲学思考の目的や方法について、おすすめの書籍を紹介しつつ、AI時代の働き方について考察しています。試験の話題から外れますが、どうぞご一読ください。

哲学からの学びとは?

哲学は下記3つに分けられ、これら3つを整理しないまま哲学書に接しても、有用な気づきは得られないと前置きしています。

  1. コンテンツとしての学び(哲学者が主張した内容)
  2. プロセスとしての学び(コンテンツを生み出すに至った気づきと思考過程)
  3. モードとしての学び(哲学者自身の世界や社会への向き合い方や姿勢)

古代の哲学者に関して、1のコンテンツとしては間違った内容も多々あるため、参考とすべきは2,3のプロセス及びモードとしての学び、つまり「その哲学者がなぜそのように考えたのか、どのような知的態度でもって世界や社会と向き合っていたのか」について学ぶことを重視すべきと『なぜ美意識を鍛えるのか』でも繰り返しています。

 

哲学を学ぶ目的とその考え方で試験を考察する

目的は一言でいうと、哲学を学ぶことで、「無批判にシステムを受け入れる」ことを防ぐためです。

試験に置き換えると、

〇〇とくれば必ずこうだ!とか、与件キーワードをSWOT分析で整理しようとか、「しかし」の後は重要とかというノウハウや受験テクニックは、既存のシステムが続くのであればとても効率的で便利ですが、本質的にコンサルタントとしてどのような分析・助言すればよいのか?という観点で考え続けることが重要だと考えます。

※セミナー等で相談されると安易にテクニックを語ってしまう自身への戒めも込めています…

とはいえ、時間のないストレート生・暗中模索の独学者の方には、ノウハウやテクニックは非常に役立つと思います。

『なぜ美意識を鍛えるのか』でも、システムの枠組みの中でしたたかに立ち回ることを勧めており、その中でシステムそのものへの懐疑は失わない態度が必要だと主張されています。

 

具体的にどうすれば哲学思考ができるの?

哲学の意義は分かった、でも時間がないし効率的に習得したいんだというあなたに、おすすめの本があります。同著者によるこちらの本がとても読みやすいのでおすすめです。(いつもながらKindle Unlimitedです)

おすすめする理由は、いわゆる一般的な「哲学入門」とは下記の点で一線を画しているためです。

  • 目次に時間軸を用いていない
  • 有用性に基づいている
  • 哲学以外の領域もカバーしている

この手の本に挑んだ初心者が挫折してしまう大きな要因の一つである、古代ギリシアの哲学があまりにもツマラナイという問題を解決しています。

くそ忙しいのに本なんて読んでられない!要点だけ教えてほしいというあなたに箴言を一つ。

「すぐ役に立つ知識は、すぐ役に立たなくなる」

秋の夜長に、「読書」と「考える時間」を持ってみてはいかがでしょうか。

   

「真・善・美」のどれを鍛えるべきか?

「美意識」を鍛えるのに哲学が大切なのはわかったけど、抽象的な概念なので取り付く島がないなと感じられたり、「真・善・美」のどれを鍛えるべきなの?と気になった方もいるかもしれません。

美意識を構成する、「真・善・美」をそれぞれ「IQ(洞察力)・JQ(人間力)・EQ(共感力)」と読み換えて分かりやすく説明し、特に、AIに代替されないよう「善=JQ(人間力)」を磨くことを説いている書籍がありました。

それがこれ『コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法』です。
※タイトルはキャッチィですが、内容は示唆に富んでいます

本書は下記の三部構成となっています。

  1. コンサルタントとして最低限必要な8つの技術(考え方)の説明
  2. 超一流コンサルのスゴ技(著者の師事した大前研一氏の事例等)を例示
  3. コンサルを目指す、コンサルを超える、と題してAI時代の人間が生きる目的を考察

二大外資系コンサルファーム、マッキンゼーとボスコンで働いた著者が整理する第1部だけでも一読の価値があります。

第2部では、「最低限の技術を身に付けただけで、善を見極める判断力がなければ、AIに負ける。つまりIQとEQだけのコンサルならAIに駆逐される。」と手厳しく指摘しています。同様に下記のようにも書いています。

高いIQは、恐れられるが尊敬はされない。高いEQは、共感されるが尊敬はされない。尊敬されるのは、優れたJQだけなのだ。ロジックやフレームワークを振りかざしてすぐに正解を求めるIQではなく、何が善かをじっくりと見極めるJQこそが求められている。

このあたりの論考がさらに深められており、「生き方」を問い直す第3部は是非ご自身でご覧になっていただきたいです。

 

まとめに代えて

万が一、2次試験で「鳴り物入りで開発した新製品に微細な不具合が発生しうることが判明したが、リコールを断行することに関して、反対か賛成か意見を述べよ」という問いが出てきたとして、どのように答えますか?(善悪がはっきりしている場合意見表明しやすいですが、状況がもっと複雑な場合、例えば上記の例でリコールすることで経営が悪化し社員が路頭に迷うことになるとすると…公正な判断ができますか?)

試験対策としては、普段からニュースで報じられる大企業の不正に対して、自分自身ならどう判断するか考えておくくらいで良いと思います。

分析や助言が中心で、論理的思考力(IQ)や社長の想いへの共感(EQ)を測ることに終始する現在の診断士試験の性質上、差別化を狙って奇をてらった回答(論理が飛躍していたり自身の経験を押し付ける助言)をすることは、墓穴を掘ることになります。絶対にやめましょう。

人間力は試験合格後にたっぷりある時間で鍛えられます。合格後に差別化を図りましょう。

 

今日はここでおしまいです。明日はおはこの番です。


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