こんにちは!なすっちです。
2次筆記試験から1か月半、受験されたみなさんも試験をいったん離れて日常にまい進されていることでしょう。
でもちょっと待った。
2次筆記試験の合格発表後もやらなきゃいけないことがあるから、今のうちから情報収集していてもいいんじゃない!?
ということで、今回は少し気が早いですが、2次筆記試験合格後から中小企業診断士登録まで、何が待っているかお伝えしたいと思います。
「合格した後の話でしょう」「今はまだ読まなくてもいいや」
そんな方は、こんなブログがあったことを頭のほんの片隅に置いておいてください。 試験に合格してもすぐに中小企業診断士と名乗れないヤキモキする日のおともに。
目次
2次試験は筆記+口述の2部構成。
筆記試験に合格したら、次は口述試験が待っています。
口述試験はその年の4事例のうち2つがランダムで出題され、1事例につき2問程度質問されます。
中には1事例だけだった、3事例出た、などのケースもあるようですが、基本はこの形です。
ですので、イヤでも今年の試験を振り返らなければなりません。
とはいっても、例年合格率は高く、しっかり与件文と設問文、解答を振り返っておけば、そして、当日しっかり受け答えを行うことができれば合格可能性が高まります。
相談をいただいている企業の社長に対して答えていると思って臨みましょう。
黙りっぱなしや、ケンカ腰の態度はNG。
分からなければ「調べて回答します」で大丈夫です。
そして、ここが最重要。
欠席=問答無用で不合格
口述試験だけを受けなおすことはできませんので、2次試験1年目ならば2次筆記試験から、2次試験2年目ならば1次試験から受験しなおすことになります。
体調管理はしっかりと。
なお、ふぞろいでも口述試験対策セミナーを実施しますので、ぜひ活用してください!
※口述試験は今回まで。
口述試験まで合格したら、晴れて中小企業診断士として名乗れる・・・というわけではありません。
中小企業診断士として名乗るには、合格後3年以内に実務要件(15日間)を満たして、必要書類を経済産業大臣に提出する必要があります。
不備が無ければ、提出から2か月程度で登録されます。
※私の場合、2月末に申請して、4月1日付登録でした。
【必要書類一式】(様式や最新情報は中小企業庁HPを確認)
①中小企業診断士登録申請書(原本)
②中小企業診断士第2次試験合格証書(原本)
③実務補習修了証書(原本)または、実務従事の実績証明書(原本)
④住民票の写し

実は、この実務要件というのが大変です。
■大変さ其の一:「実務要件15日以上」をどう達成するか
中小企業診断士登録申請においては、「実務」を15日以上行うことになります。
上の表にあるように、「実務要件」を満たすのは、
・中小企業者に対する診断助言業務に従事(=実務従事)
・登録実務補習機関が行う実務補習の受講
のいずれか(又は両方合計して)を15日以上満たすことが必要です。
1.実務従事
まさに、自分で中小企業診断士の実務たる診断助言業務を15日間以上実施する、ということになります。
実務従事に該当する活動には、以下のようなパターンがあります。
(読んでいただくと分かりますが、意外と幅広いです!)
① 自分で企業を見つけて実務する(知り合いの企業とか各県診断士協会に相談するとか・・・)
② 診断士の診断助言業務に従事する
③ 国、都道府県・政令指定市(中小企業支援センター)、中小企業基盤整備機構、商工会議所・商工会 JICA等 の委嘱を受けて助言診断や窓口相談業務に従事する
※国の委嘱:ミラサポ専門派遣やよろず支援拠点
④ (中小企業にお勤めの方が)自社を診断助言する
⑤ (金融機関や大企業にお勤めの方が)取引先を診断助言する
しかしながら、「中小企業支援センター?それってどこやねん(自分の勤め先をこういうのもなんですが・・・)」「自社を診断助言ってし辛いわ」「自分で企業見つけるのはちょっと・・・」と思うかもしれません。
ですので、現実的には民間コンサルティング会社や各県の中小企業診断士協会が実施する「実務従事サービス」を活用することが多いかと思います。
実務従事は、先輩の診断士と一緒に実務を行う実務従事サービス以外、ほとんどが自分の力で診断助言を行うことになります。
しかし、中小企業診断士の実務たる診断助言を行った経験はない人にとっては、「診断助言ってどう行えばいいの・・・」と頭を抱えることもあるのでは。
そんな方は「実務補習」という選択肢もあります。
2.実務補習
実務補習とは、登録実務補習機関(日本中小企業診断士協会連合会)が行う研修で、中小企業診断士の指導員のもとで実務を経験できます。
しかし、2月の実務補習は、筆記試験の合格が出た瞬間に枠が埋まるくらい人気。
「次は〇月開講」と言われると途端に焦るし、凹む・・・(だからこそ、今回のブログのテーマにしたのです!)
筆記試験合格発表からでは間に合わない、ということにならないように、今のうちから、「登録実務補習機関」の情報は集めておくことをお勧めします。
とは言っても、実務補習は狭き門。さらに、実務補習は1回で15日間とは限らず、8日間コースなどの設定もあり、1回の申し込みで15日間にならないことも・・・
じゃあ、どうすんのよ!
ということで、2期に分けて実務補習を受けるか、民間コンサルティング会社や各県の中小企業診断士協会の「実務従事」サービスを活用することも多いです。
(実務補習も実務従事サービスもたいてい有料です。そこも覚悟しておきましょう。)
【考えられるパターン】
・実務補習(15日間)
・実務補習(8日間)+実務従事
・実務従事(15日間)
■大変さその弐:本業・家庭との両立
実務要件の日数確保の大変さを知った勢いで、もう一つの大変さについても知っておいても良いかもしれません。
それは、普段からコンサルティングなどを生業としていない限り「完全に本業にプラスアルファになる」ということです。
これに関しては、置かれている環境が皆様バラバラなので一概に均等に大変だ、とはいえませんが、それなりに本業や家族などとのバランスが大事になります。
合格した時には会社や家族に理解を求める、ということも必要になります。
実務従事は合格後3年で15日間達成すれば良いのです。
詰め込むよりゆっくり、時にはそれも選択肢かもしれません。
何より周囲の理解があっての資格ですから・・・
<私のケース>
じゃあ、あなたはどうしたの?というと、私はレアケースでして・・・
私自身、仕事柄、普段から中小企業との接点は多く、試験合格後に知り合いの企業の診断助言を行う機会がありましたので、実務従事として証明いただきました。
ですので、上記でいうと「自分で見つけた企業を診断助言する」というケースです。
ふぞろい18メンバーでこのケースが他にいるんだろうか・・・
また、中小企業支援が本業とは言え、この15日間はやはり大変でした。全ては私を信じて診断助言させていただいている企業の理解があってこそ成り立ったと思っています。
今となっては、先輩診断士から診断助言の指導も受けたかったな、とも思いますが、公的支援機関にいればいずれそんな機会もあると思い、今は診断士として目の前の企業に全力投球しています。
今回は、2次筆記試験合格後~中小企業診断士登録までの道のりを書いてみました。
冒頭にお伝えしたとおり、気が早いかもしれませんが、急いで資格を取りたい方は、合格発表があってからでは間に合わないかもしれません。
今のうちに準備を。
登録はゆっくりでいいよ、という方も頭の片隅に入れておいて、合格した暁には自分のペースでできるプランを考えてはいかがでしょうか。
中小企業診断士は独立が少ない/企業内診断士が多い資格ですが、それだけ企業において専門的な仕事をしながら中小企業診断士としても活動している人が多いということでもあります。
自己紹介ブログで私はこう書きました。
「中小企業診断士は多様なバックボーンを持っている方が取得されている資格です。会計系、IT系、コンサル系、はたまた公務員など。」
専門的な仕事をしている人が、もしかしたら出会うこともなかった異分野の能力者たちと、中小企業診断士という資格でつながれるのです。
そして、企業の課題を、専門性をもった人たちのネットワークを通じて支援できるということは、孤独な中小企業の経営者にとってこれほど心強いことはないと思います。
だからこそ、せっかく合格したならば、ぜひ中小企業診断士として登録してください。
皆様と一緒に企業支援ができる日を楽しみにしています。
次回は冷静沈着、でも内に熱い思いを秘めた人、あやの投稿です!!お楽しみに!!

