残り60日、合格まで“何を・どれだけ”やればよいか?~戦略と戦術で迷いを断とう!~

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こんにちは!ひがしです。
中小企業診断士の二次試験まで、残り約60日。
「このままで本当に大丈夫だろうか?」と、不安になる方も多いのではないでしょうか。
一年前の私もまさにそんな気持ちで日々を過ごしていました。

巷にはさまざまな勉強法や参考書があふれ、二次試験特有の「実力の見えにくさ」も相まって、何をどれだけやればいいのか、迷ってしまうタイミングかと思います。

そんなときこそ、戦略と戦術の視点を切り分けて考えることが重要です。
今回は、私が受験生時代に意識していた、合格までの戦略と戦術の考え方をご紹介させて頂きます。

皆さんの試験対策の参考になればうれしいです!


はじめに:「戦略」と「戦術」を分けて考える

戦略(Strategy):合格というゴールに向けた“全体設計”。何を、どれくらい、どのレベルまでやるかを定める方針。

戦術(Tactics):その戦略を実現するための“具体的な実行手段”。どのように、どんな順番で、どう改善しながら取り組むか。

私自身は一次・二次ともに運よくストレート合格でしたが、仕事と家庭の都合で潤沢に勉強時間を確保するのが難しい環境でした。

だからこそ、やること・やらないことを明確にし、最小限の投資で合格を狙う設計(戦略)と、その遂行方法(戦術)を意識するようにしていました。

戦略:点数配分から“投資すべき場所”を決める

合格するには、4事例合計で240点(平均60点)を超える必要があります。
私はその中でも、「どこで何点を取るか」を最初に決めて学習戦略を立てました。

科目目標点方針
事例Ⅰ~Ⅲ65点得意・不得意を作らず、各事例で安定して60点台を狙う
事例Ⅳ70~80点出題傾向と解法を徹底的に習得し、高得点で合格を引き寄せる

上記の点数で10~15%のバッファをもっての合格を目指しました。
合格を勝ち取った多くの先輩受験生が、「記述式の事例Ⅰ〜Ⅲは、知識を増やしても再現性が低く、安定させるのが難しい。出題範囲と解法が比較的明確な事例Ⅳに時間をかけたほうが、合格の可能性が高い」と言っていたためです。

戦術:勉強法そのものにPDCAを回す

計画を立てても、やりっぱなしでは意味がありません。私は勉強方法そのものにもPDCAを回すことを意識しました。

■ 勉強法PDCAの具体例(事例Ⅰ〜Ⅲ)

Plan(計画):
全知識』を使って関連知識を頭に叩き込んだうえで、全事例の過去問7年分を回す。

Do(実行):
 80分通しで、R5年分(最新)の過去問を初見で解き、ふぞろい採点を実施

Check(評価):
 得点は20~30点…。自分が得点を獲得できない理由は、主に以下の3点。
 A)問われていることに答えられていない(例:対応策を求められているのに課題提示で止まっている)
 B)回答構成が論理的でなく、解答要素(フレーム)が不足
 C)キーワードが拾えていない(知識の引き出し不足で、与件文からの連想が弱い)

Act(改善):
 A)、B)は、解法の型(与件文&設問の整理→解答案の作成)を定着させ、模範解答を読み込むことで改善可能と判断。一方、C)「知識の引き出し」を増やすには、時間をかけて関連知識を網羅的に定着させる必要があるが、私の学習時間では、それは現実的ではない。

→ 一旦、過去問を進める中で、A)、B)の精度を上げながら、C)は頻出の知識のみを定着させられないかを試すこととする
(仮説立て⇒Planの見直し①)

→ 過去問3年分実施したタイミングで再度振り返りを実施。
この時点で60点前後を獲得できる感覚と、頻出キーワードは共通していることを実感。

以降、事例Ⅰ〜Ⅲは「過去問5年分のみに絞ることとし、ふぞろい100点解答との差分を定期的に振り返る」にとどめ、事例Ⅳに残りのほとんどの時間を投下する方針に切り替える(仮説検証⇒Planの見直し②)

ちなみに、『全知識』は勉強の序盤には使用しませんでしたが、読み物としても面白く、直前期は復習&気分転換がてらにパラパラと読んでいました。
また、解法確立には『中小企業診断士2次試験 解き方の黄金手順』が役立ちました!よければ活用してくださいね。

■事例Ⅳに重点投資した実行内容

事例Ⅳに重点投資する戦略を選んだ私ですが、だからといって多くの参考書に手を出したわけではありません。
実際のところは、『全知全ノウⅣ』だけをひたすら復習し、全範囲を解けるように仕上げたというのが実態です。

事例Ⅳを得点源にするうえで、『30日完成』や『イケカコ』に取り組んだほうがよいという声も耳にしましたが、自分の実力(8/21に初めて解いたR5年度の事例Ⅳは5点でした…)と、限られた学習時間を考慮した結果、複数の教材には手を出さず、過去問ベースで構成された『全知全ノウ』1冊をやり切るという判断に至りました。

もちろん、さまざまな教材を試してみるのも一つの方法ですが、ある段階で「コレだ!」と決めた教材に絞って仕上げていくことが、重要だと思います。

最初は、解説を読んでも全く意味がわからなくて、ただ解答を写経したり、解説で分からないところを一つずつ調べたりすることから始めました。その繰り返しで、少しずつ前に進めました。

私の二次試験結果と振り返り

科目得点
事例Ⅰ50点
事例Ⅱ62点
事例Ⅲ61点
事例Ⅳ69点
合計242

…合計 242点。なんとかギリギリの合格です。

事例Ⅰ~Ⅲの中で最も得意だと思っていた事例Ⅰでは、二次試験のご法度であるポエム的な解答を繰り出し最も低い点数に…。
事例Ⅳでは、計算過程を書く練習を怠っていたツケで、時間が足りず、期待よりは点数が伸びず。。

などなど、いろいろと反省点はありつつも、事例Ⅳでカバーして合格するという戦略は、しっかり機能してくれました。

まとめ:あなたなりの“合格戦略”を描いて進もう

診断士二次試験の合格に必要なのは、すべてを完璧にこなすことではなく、限られたリソースの中で、自分に合った「勝ち方」を見つけて実行することと思います

私は、得点の取りやすさや学習効率を踏まえて、事例Ⅳに重点投資する道を選びました。また、PDCAを回しながら取捨選択を重ね、教材も絞り、ムリのない設計で合格ラインを目指しました。

あなたにもきっと、あなたにあった戦略があるはずです。

「全部やらなきゃ」ではなく、「どこで勝つか」を見極める。
その意識だけで、これからの60日間はもっと実りある時間になるはずです。

焦らず、比べず、自分らしい合格戦略を描き、必要に応じて軌道修正していく。
その努力が“合格”という成果に結びつくことを心から願っています。

さて、次回から数回にわたり、各事例対策に特化した記事をお届けする予定です。

初回となる9/2は、きほこが担当します。どうぞお楽しみに!




【申し込み方法】 

 こくちーずからお申込ください 

 9月21日分  こちら 
 募集期間 9月2日(火) 18:00〜2025年9月16日(火) 23:00まで 

 9月28日分  こちら  
 募集期間 9月2日(火) 18:00〜2025年9月23日(火) 23:00まで 

  • 各回先着50名としています(第1部、第2部 両方の参加の方) 
  • 第1部のみの参加も可能です。こちらも先着50名です(各回計100名)

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